▲姜勲植・大統領室秘書室長とキム・ヒョンジ大統領室第1付属室長/写真=NEWSIS
進歩(革新)系与党「共に民主党」の文振碩(ムン・ジンソク)議員が大統領室の金南局(キム・ナムグク)秘書官に、人事請託のショートメールを送っている場面がキャッチされた。今月2日、文議員は、後輩を民間団体である韓国自動車モビリティー産業協会の会長に推薦してほしいと頼み、金秘書官は「はいっ、兄さん。勲植兄さんとヒョンジ姉さんに推薦します」と返答した。ここでいう「兄」「姉」は、金秘書官より年上の姜勲植(..
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▲姜勲植・大統領室秘書室長とキム・ヒョンジ大統領室第1付属室長/写真=NEWSIS
進歩(革新)系与党「共に民主党」の文振碩(ムン・ジンソク)議員が大統領室の金南局(キム・ナムグク)秘書官に、人事請託のショートメールを送っている場面がキャッチされた。今月2日、文議員は、後輩を民間団体である韓国自動車モビリティー産業協会の会長に推薦してほしいと頼み、金秘書官は「はいっ、兄さん。勲植兄さんとヒョンジ姉さんに推薦します」と返答した。ここでいう「兄」「姉」は、金秘書官より年上の姜勲植(カン・フンシク)大統領室秘書室長とキム・ヒョンジ大統領室第1付属室長のこと。文議員と推薦対象者、金秘書官はいずれも李在明(イ・ジェミョン)大統領とは大学の同窓だ。大統領室は「不正確な情報を不適切に伝えた」として金秘書官に「厳重注意」を行ったと発表した。
【写真】共に民主・文振碩議員からの人事請託に金南局秘書官「はいっ、兄さん。フンシク兄さんとヒョンジ姉さんに推薦します」
公開されたショートメールは、これまでうわさになっていた「キム・ヒョンジ実力者説」が事実であることを示している。キム・ヒョンジ室長は大統領の中心的な側近で、人事面において強大な影響力を行使する「実力者」と呼ばれていたが、大統領室はこれを否定してきた。人事は秘書室長が委員長を務める人事委員会で推薦と検証が行われる。姜勲植室長はこれまで「側近や実力者人事はない。システムでやっている」と主張していた。
しかし、金秘書官は「秘書室長とキム・ヒョンジ付属室長に人事推薦をする」と言った。付属室長は人事に関与できない。キム・ヒョンジ付属室長が非公式な形で人事に関与しているのか、さもなくば付属室長を人事委メンバーに追加したのか、明らかにされるべきだ。最終的に、こうした事実のせいで、キム・ヒョンジ付属室長の国会出席をあれほど阻止しようとしてきたのではないか。民主党は国政監査の際、もともと政務秘書官だったキム付属室長を国会の証人から除外し、この問題が大きくなると、政務秘書官から国会出席義務のない付属室長へと補職を変更した。権限のないキム付属室長が人事において実質的権限を行使しているとしたら「人事に影響を及ぼす大統領側近グループが別途存在するのではないか」という疑問も湧く。
人事の推薦に大統領の出身大学の人脈が作用しているかのごとき様子も問題だ。金秘書官は、秘書室長と付属室長を「兄さん」「姉さん」と呼んだ。国の人事が、同窓会や友人同士の集まりのように運営されてはならない。しかも、自動車モビリティー産業協会は自動車企業が会員の民間団体だ。会長人事に秘書室長、付属室長、政権与党が関与する権限もない。大統領と民主党はこれまで、政権の「落下傘人事」を批判してきた。民間団体でこのありさまなら、公共分野の人事はどうなのかは、尋ねる必要もないだろう。
この事案は「厳重注意」で終わるべきものではない。全国民を相手に「人事推薦を受けたい」としておきながら、実際は内輪で民間団体の人事推薦を受けて「兄さん」「姉さん」に伝えると言っていた。職権乱用だ。国会でも真相を明らかにすべき事案だ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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