▲写真=UTOIMAGE
台湾問題を巡る中国と日本の葛藤と対立は尋常ではない。2012年の日本による尖閣諸島(釣魚島)国有化の時に中国は報復として日本製品の不買運動やレアアースの輸出禁止などを断行し、両国関係は危機的状況となった。中日関係の破綻は東アジアの平和と繁栄にとって脅威であり、韓国の安全保障にも新たな挑戦となりつつある。
今の状況は昨年11月7日の衆議院質疑での高市早苗首相による「台湾有事」を巡る答弁がきっかけに..
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台湾問題を巡る中国と日本の葛藤と対立は尋常ではない。2012年の日本による尖閣諸島(釣魚島)国有化の時に中国は報復として日本製品の不買運動やレアアースの輸出禁止などを断行し、両国関係は危機的状況となった。中日関係の破綻は東アジアの平和と繁栄にとって脅威であり、韓国の安全保障にも新たな挑戦となりつつある。
今の状況は昨年11月7日の衆議院質疑での高市早苗首相による「台湾有事」を巡る答弁がきっかけになった。「中国が台湾周辺を海上封鎖した場合、日本にとって『存立危機事態』になるのか」との野党議員からの質問に高市首相は「(中国が)戦艦を動員しそれに武力行使が伴うものであれば『存立危機事態』になり得る」と答弁したのだ。存立危機事態とは2015年の「平和安全法制」に定められた集団的自衛権の行使要件を意味する。集団的自衛権とは中国による台湾への軍事侵攻や海上封鎖が原因で米中間で武力衝突が起こった場合、日本が米国を軍事面で支援する法的根拠となる。中国政府が高市首相の発言を挑発と見なし、発言の撤回を求めて強圧的な手段を総動員する理由はここにある。
中国は自国民に日本旅行の自制を呼びかけ、また日本の水産物輸入を禁止するなどいわゆる「限日令」から始まり、その後も日本への圧力を徐々に強めている。沖縄周辺海域では空母艦隊を動員した軍事訓練を行い、ロシアを引き込み爆撃機による日本本土への合同爆撃訓練まで行った。
中国の圧力が強まったことを受け高市首相は先月16日の参議院質疑で「政府の従来の立場を超えた発言を行ったかのように受け取られた部分は反省点としたい」として一歩引いた。官僚が準備した国会答弁書は「いかなる事態が存立危機事態に相当するかについては実際に起こった個別・具体的な状況によって政府があらゆる情報から総合的に判断する」だったという。高市首相はこの「模範的な答弁」を逸脱し「ミス」と誤解された点を反省しつつも、政府の従来の立場に変化がないことを改めて明言した。中国はこの機会に高市内閣を確実に手なずけようと軍事面での圧力まで加えたが、最終的に発言は撤回されず高市首相は日本国内でさらに支持を集め、また日本に軍備増強の口実まで与えてしまった。
問題は今回の事態が収まった後も中日関係が改善する見込みがなく、危機が再発するリスクも残っている点だ。「台湾有事は日本有事」とする日本の認識と政策が今後変わるとは考えられず、中国と日本の利害関係は構造的に妥協には至り得ない。すでに常態化している中国海警による尖閣諸島周辺の領海侵犯とこれに伴う両国海洋警察の対立が軍事衝突につながる可能性も排除できない。中国は台湾問題に対する外国の介入を「主権侵害」「内政干渉」と見なし、断固たる対応を取ってきた。しかも1895年の清日戦争から50年間、台湾を支配した日本が台湾事態に介入する動きを示せば、中国は理性と自制力を失う傾向もある。
注目すべきは米国の動きだ。外信報道によると、トランプ大統領は11月25日に高市首相と電話会談を行い、台湾問題で中国を刺激しないようアドバイスしたという。来年4月の中国訪問で貿易面での対立を解消し、経済的実利を得たいトランプ大統領にとって同盟関係など眼中にないことが改めて浮き彫りになった。米中の戦略的競争よりも戦略的協調の方が韓国や日本にとってより大きなリスクになることを示している。
台湾有事は韓国にとっても「対岸の火事」ではない。台湾周辺海域は韓国経済の命綱である海上輸送路の中心にある。中国が台湾と南シナ海を支配し、その命綱を押さえられれば韓国にとってもいわば存立危機事態になる。そのためレアアースなどを中国に過度に依存する状態から脱却し、覇権を目指す中国の横暴に対抗する力を確保するまで韓国は中国との全面的な対立は可能な限り避けるしかない。
台湾問題への言及が求められた場合、2021年以降の韓米首脳会談の共同声明やジョイント・ファクト・シートですでに使用した文言の範囲から逸脱してはならない。これまで韓米両国が合意した三つの点は「台湾海峡の平和と安定の重要性」「台湾海峡問題の平和的解決」、そして「インド太平洋地域の一方的な現状変更反対」だ。中国も韓半島問題に言及する際には同じような表現を使うため特に問題になることはない。一方的な現状変更反対は台湾や尖閣諸島はもちろん、独島にも適用される点に留意しなければならない。
千英宇(チョン・ヨンウ)元韓国大統領府外交安保首席・韓半島未来フォーラム理事長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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