▲イラスト=UTOIMAGE
米国・イスラエルと戦闘状態にあるイランが、世界の原油輸送量の20%が通過するホルムズ海峡を封鎖したため、近隣の産油国の輸出には支障が出ているが、イランの石油輸出量は昨年とほぼ同じであることが明らかになった。
米CNNは「ホルムズ海峡が事実上封鎖されたことにより、ペルシャ湾諸国のほとんどで原油と天然ガスの輸出に莫大(ばくだい)な支障が出ている。しかしイランは戦闘前と同程度の量の石油を海峡経由で輸送..
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米国・イスラエルと戦闘状態にあるイランが、世界の原油輸送量の20%が通過するホルムズ海峡を封鎖したため、近隣の産油国の輸出には支障が出ているが、イランの石油輸出量は昨年とほぼ同じであることが明らかになった。
米CNNは「ホルムズ海峡が事実上封鎖されたことにより、ペルシャ湾諸国のほとんどで原油と天然ガスの輸出に莫大(ばくだい)な支障が出ている。しかしイランは戦闘前と同程度の量の石油を海峡経由で輸送しており、経済と戦闘遂行に必要な資金を稼ぎ続けている」と16日に報道した。
海事データ分析会社「Kpler(ケプラー)」は、先月28日に戦闘状態が始まって以降、イランは原油1200万バレルを輸出したと推定している。船舶の海上追跡を行う「タンカートラッカーズ」は先週半ばの時点で戦闘開始以降のイランの原油輸出量を1370万バレルと推定した。
この推定値通りなら、イランは一日あたり100万バレルの原油を輸出していることになる。これは昨年の一日平均169万バレルと大差ないという見方だ。
CNNは「米国がイランを攻撃する前、『主要石油生産国であるイランが自国の石油輸出がストップするのを恐れてホルムズ海峡閉鎖をためらうだろう』と仮定していたなら、米国は見込み違いだった」と述べた。
米国は現在まで、イランの石油インフラを攻撃したり、タンカーを阻止したりする試みは行っていない。これまでにテヘラン近郊の石油貯蔵庫を空爆してきたのはイスラエルだ。米軍は今月14日、イランの中核的な原油輸出基地カーグ島(ハールク島)を攻撃した際、軍事目標のみを集中攻撃し、石油インフラには手を出さなかった。空爆後もカーグ島の石油インフラは稼働しており、衛星写真による解析の結果、貯蔵タンク55基はすべてに異常がないことが確認された。イランのタンカー2隻が原油270万バレルを積載している状況も確認された。
データ会社が把握しているよりも多くのイランのタンカーが実際にはカーグ島から石油を積んで出発した可能性も指摘されている。イランをはじめホルムズ海峡を通過する船舶は最近、位置発信装置をオフにしたり、偽の位置情報を発信したりしているため、把握されていない船舶が存在する可能性があるということだ。これに加え、既にイラン産石油を積んで出航したタンカーに積まれていた量は1億7000万バレルに達するという推測もある。
イランの今年2月の原油輸出はむしろ増加している。カーグ島の港から輸出された2月の一日平均原油取扱量は204万バレルで、前年比で25%増加した。このため、イスラエルと米国の空爆を予想したイランが原油輸出に拍車をかけたとの分析もある。
イランの天然ガス輸出も増えている。イラン準国営のファルス通信によると、イラクが先週、イランから輸入した天然ガスの量は一日平均1800万立方メートルに達し、3倍に増えたとのことだ。
ホルムズ海峡を通過する石油の80%以上が中国・インド・日本・韓国などアジアに向かっており、イランがこの状況を交渉カードとして利用しているとの見方もある。イランのアッバス・アラグチ外相は15日、「ホルムズ海峡は開かれている。我々を攻撃する敵国とその同盟国のタンカーや船舶にのみ通行が制限されている。それ以外の船舶は自由に航行できる」と述べた。
実際、イランはホルムズ海峡で中国船に続き、インドの一部船舶の通航を許可するなど、例外的な措置を取ってきた。特にイランがインド国籍の液化石油ガス(LPG)運搬船2隻の通過を許可したことで 注目を集めたが、その背景にはインドが先月拿捕(だほ)したイランのタンカー3隻を解放するという見返りがあったという。
イランはまた、石油代金が米ドルではなく中国元で取引される場合なら、限られた数のタンカーを通過させるという案も検討中だ。国際石油取引はほとんどがドルで行われるが、ロシアの原油のように米国の制裁対象の場合のみ、露ルーブルや中国元で取引が行われている。
ただし、ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、他のペルシャ湾諸国だけでなくイランにとっても不利だとの見方が出ている。サウジアラビアには紅海のヤンブー港、アラブ首長国連邦(UAE)にはオマーン湾のフジャイラ港などの代替港があり、陸路でも一部の貨物を輸送できる。しかし、イランはカーグ島とホルムズ海峡を通らなければ石油輸出ルートがこれと言ってない。
もし米国が本気でイランの石油輸出を阻止しようと立ち上がったら、イランは他のペルシャ湾諸国よりも不利な状況になる可能性がある。米国のマイク・ウォルツ国連大使は15日、トランプ大統領はカーグ島の石油インフラを空爆する案も排除していない、と述べた。
チェ・ヘスン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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