▲1999年の第1延坪海戦当時、韓国海軍の高速艇「チャムスリ325号」(右)が北朝鮮の艦艇を「押し返し」ている様子。海軍は今年1月、このチャムスリ325号を廃棄処分とした。/海軍
西海の北方限界線(NLL)を30年以上にわたって守り抜いてきた海軍高速艇「チャムスリ325号」が今年1月、スクラップとして廃棄された。チャムスリ325号は1999年の第1延坪海戦で北朝鮮の艦艇を船体で押し返し領海を守り抜いたほか、2009年の大青海戦でも敵を撃退した「勝利の主役」である。しかし韓国海軍は、この艦艇を約3800万ウォン(約400万円)で売却した。
【写真】韓国海軍の高速艇「チャムスリ..
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▲1999年の第1延坪海戦当時、韓国海軍の高速艇「チャムスリ325号」(右)が北朝鮮の艦艇を「押し返し」ている様子。海軍は今年1月、このチャムスリ325号を廃棄処分とした。/海軍
西海の北方限界線(NLL)を30年以上にわたって守り抜いてきた海軍高速艇「チャムスリ325号」が今年1月、スクラップとして廃棄された。チャムスリ325号は1999年の第1延坪海戦で北朝鮮の艦艇を船体で押し返し領海を守り抜いたほか、2009年の大青海戦でも敵を撃退した「勝利の主役」である。しかし韓国海軍は、この艦艇を約3800万ウォン(約400万円)で売却した。
【写真】韓国海軍の高速艇「チャムスリ325号」
海軍は「展示物として保存するには復元に約10億ウォン(約1億円)かかるなど、維持・補修費に比べて得られる効果が不十分」と説明している。交戦当時の損傷部分は全て修理され、外観も他のチャムスリ級の高速艇と大差がないという。また、京畿道平沢市の第2艦隊にはすでに第1延坪海戦の戦勝記念塔や、第2延坪海戦で被弾したチャムスリ357号が展示されており、「象徴性や目的が重複する」との説明もあった。一般人の立ち入りが厳しく制限されている軍施設内に記念物があるため、これ以上は不要だというのだ。口では「戦友たちの血で守ってきたNLL」を強調してきた海軍が、その「物的証拠」を保存する必要がないとする理由だ。
海軍が、北朝鮮に融和的な現政権の顔色をうかがったのではないかとの指摘も各方面から出ている。しかし、保守政権下であっても同様の結末を迎えた可能性は高い。チャムスリ325号は2022年に退役したが、海軍は退役直後から部品を取り外して再利用するなど、当初から安全保障展示物として指定する意図がなかったためだ。軍の情報筋によると「参謀総長でさえ更迭してしまう現政権の顔色をうかがって廃棄したのならまだしも、海軍の歴史認識の欠如が最大の原因だとされている点で、やりきれない」ともらす。
一方、英国は1778年に就役し、ナポレオン戦争期のトラファルガーの海戦でネルソン提督の旗艦として活躍した戦列艦「HMS Victory」号を約4200万ポンド(約88億円)を投じて保存・復元している。「世界最長寿の現役軍艦」という象徴的価値だけでなく、かつて世界最強国だった時代の誇りと精神の宿った歴史を尊重する意味合いがある。自力航行もできない旧式の帆船を、維持費が安いから保有しているわけでは決してないのだ。
しかし、韓国海軍は「新しいもの」にばかり目を向けている。約7兆8000億ウォン(約8200億円)を投じて6隻の新型駆逐艦を建造するKDDX事業や、8000億ウォン(約850億円)規模のSM-3ミサイル導入事業は必要だとしても、歴史と誇りが込められたチャムスリ325号の価値を顧みない姿はいかにも逆説的だ。
昨年11月、海軍はソウル市光化門広場の李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像前で創設80周年記念式典を行った。この席で海軍は「忠武公(李舜臣将軍の諡〈おくりな〉)の後継者である海軍は、先輩の戦友たちが血と汗で築き上げた偉大な勝利の歴史を胸に深く刻む」と誓った。西海守護の主役をわずかな金銭で売り払うことが、果たして海軍にとって勝利の歴史を記憶する方法なのだろうか。スクラップ同然の値段で手放した行為こそ、海軍が繰り返し強調してきた「必勝の信念」に相反するように思えてならない。
ヤン・ジホ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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