▲写真=ドラマ『21世紀の大君夫人』
先日MBCで放送が終わったドラマ『21世紀の大君夫人』を巡る歴史歪曲(わいきょく)騒動が、中国のオンライン・コミュニティーやSNS(交流サイト)にまで飛び火している。作品に登場した「千歳(チョンセー)」の表現や、九旒冕(きゅうりゅうべん、中国の王の家臣が着用する冠)、茶道の演出などについて「中国式の皇室文化を連想させる」と韓国国内で批判が起きたわけだが、中国のネットでは「空想の作品なのになぜ問題..
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▲写真=ドラマ『21世紀の大君夫人』
先日MBCで放送が終わったドラマ『21世紀の大君夫人』を巡る歴史歪曲(わいきょく)騒動が、中国のオンライン・コミュニティーやSNS(交流サイト)にまで飛び火している。作品に登場した「千歳(チョンセー)」の表現や、九旒冕(きゅうりゅうべん、中国の王の家臣が着用する冠)、茶道の演出などについて「中国式の皇室文化を連想させる」と韓国国内で批判が起きたわけだが、中国のネットでは「空想の作品なのになぜ問題視するのか」などと騒動を巡ってさまざまな意見が飛び交っている。
報道によると、この騒動は劇中のせりふと演出が発端となった。ドラマは日帝強占期がなく第2次世界大戦が起きなかったという想定での「立憲君主制の大韓民国」を舞台としているが、劇中に登場した儀礼や服飾を巡って「皇帝-諸侯という中国式の主従関係を連想させる」という批判が起きた。
ビョン・ウソク演じるイアン大君の王位即位式で、家臣たちが自主国(独立国)の君主に対し「万歳(マンセー)」ではなく中国の諸侯国が使う「千歳」と叫ぶシーンや、大君が着用していた冠が君主の冠「十二旒冕(じゅうにりゅうべん)」ではなく中国皇帝の家臣がかぶる「九旒冕」だったなどの点が問題視された。「千歳」と「九旒冕」はいずれも、中国の王室文化圏で皇帝に仕える諸侯クラスの人物が使う表現や象徴として知られている。また、劇中に出てきた茶道のシーンで、お湯やお茶を茶盤に流す所作が中国式の茶礼(茶芸)を思わせるという指摘も上がった。韓国の伝統的な茶礼では、茶盤ではなく退水器(建水)を使うケースが多いという点からだ。
騒動が拡大すると、制作陣は謝罪し、問題になったシーンのオーディオと字幕を修正すると明らかにした。主演俳優のIU(アイユー)とビョン・ウソクもこの騒動についてSNS(交流サイト)で謝罪した。
この騒動は中国にも伝わった。現地の芸能メディアを中心に歴史歪曲騒動が報じられ、中国のネットでは「架空の設定なのに何が問題なのか」という反応が多数見られた。中国のSNS「微博(ウェイボー)」やオンライン・コミュニティー・サイト「百度貼吧」などでは「歴史には関係のない空想ドラマにすぎない」「韓国のネットユーザーたちが過剰に反応している」「ドラマへの没入を妨害するだけ」などの投稿やコメントが多数アップされていた。
この騒動を報じた現地芸能メディアは微博への投稿で「もともと属国だったのだから当たり前の設定」「歴史歪曲を主張する韓国のネットユーザーらがむしろ中国の歴史を盗もうとしている」「シナリオ作家は歴史を尊重しているだけ」などと攻撃的な書き込みを多数アップした。
それと同時に、一部では「虚構の世界に実際の歴史を持ち込んだのだから批判が出るのは当然」「韓国では過敏な反応が出て当然の問題だ」などの反応も見られた。「豆瓣」などのドラマ関連コミュニティーサイトでは、歴史歪曲騒動よりも、作品の設定や完成度に対する評価と批判が活発に飛び交っているようだ。
ただし『21世紀の大君夫人』を世界に配信しているディズニープラスは現在、中国本土で公式なサービスを提供していない。現地の視聴者らは「VPN(仮想プライベートネットワーク)」を利用して迂回(うかい)接続するか、中国国内の非公式ストリーミング・字幕共有プラットフォームを利用してドラマを視聴しているとみられる。
北京=イ・ウンヨン特派員
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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