【コラム】タイムマシンでやって来た北朝鮮応援団

 ところで突然向こうの方から変な声が聞こえてきた。そちらの方向に目を向けると、自由で多彩な競技場内の雰囲気とは似ても似つかない団体行動が目に入ってきた。若い女性100-200人が同じ原色のジャンパーを着用し、きれいな四角形をかたどって座り、同じ拍子で手を打ちながら、同じ声と同じイントネーションで「頑張れ! 頑張れ! うちの選手頑張れ!」と叫んでいた。

 北朝鮮からやって来た応援団だということは一目で分かったが、面白いと言うべきか、こっけいだと言うべきか分からない光景を見詰めながら、どこかで見たような気がしたのは、決して私だけではないだろう。北朝鮮の応援団は過去にも訪韓したが、このように直接目の当たりにしたのは今回が初めてだった。

 「どこかで見たような気がするんだが…」。そう思って記憶をさかのぼってみたところ、あの拍子が幼い頃、学校の運動会で行った3・3・7拍子だということに気が付いた。そうだ。あの北朝鮮の応援団は、1960-70年代の韓国の姿そのものだった。着ているものから行っている行動の全てが、タイムマシンに乗って50年前からやって来た人々のようだった。ある専門家が平壌以外の北朝鮮の姿は1世紀前の姿だ、と言っていたが、党幹部の娘たちを集めた応援団でさえ、タイムマシンに乗って過去からやって来た人々だった。その応援団は、北朝鮮のある選手を応援していた。その選手もユニホーム姿だけで北朝鮮の代表だということが分かった。実力も最下位だった。テレビで見掛けた三池淵管弦楽団も、やはり数十年前に韓国のテレビ番組でよく見受けられた衣装と同じであり、レベルもその当時と同等だった。

楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹
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