朴正熙元大統領の故郷で「セマウル」文言排除の動き

 慶尚北道亀尾市は、かつて朴正熙(パク・チョンヒ)政権下で進められた農村振興運動「セマウル運動」に由来する部署やイベントを廃止することを決めた。既存の「セマウル課」を廃止し、来年からは市が費用を支援するイベントでも「セマウル」の文言の使用を取りやめる。6月の統一地方選でで張世竜(チャン・セリョン)氏が市長に当選して以降の変化だ。

 亀尾市は市庁の組織を再編する条例案を明らかにし、11月8日まで市民の意見を公募する。市議会での審議を経て、来年にも施行したい構えだ。条例案によると、市は安全行政局傘下にあるセマウル課を廃止し、市民共同体課を新設する計画だ。同市関係者は「セマウルという名称を巡る、不必要な政治的論争が続いている。セマウル関連業務は市民共同体課で継続する予定だ」と説明した。

 亀尾市庁は1978年にセマウル課を設置した。亀尾市は朴正熙元大統領の故郷で、これまで「セマウル運動発祥の地」を名乗っていた。亀尾市庁はまた、来年から市が補助金を支給する全てのイベントで「セマウル」の名称使用を取りやめることにした。

 これに先立ち、張市長は今月16日、朴正熙元大統領の39回忌追悼式(10月26日)と生誕101年式典(11月14日)に出席しない意向を明らかにしていた。亀尾参与連帯など左派系市民団体は「特定の政治勢力の政治的行事に転落した追悼式や生誕祭で市庁が祭祀(さいし)を取り仕切ることは取りやめるべきだ」と主張してきた。張市長は朴正熙元大統領について、「歴史的評価よりも政治的論争に陥っているのが現実だ。時代の流れに沿って、変化すべきだ」と発言していた。

亀尾(慶尚北道)=クォン・グァンスン記者
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