漫画家というもう一つの体を得る前、パク・テジュンさんは外見に頼りながら生きてきた。それなりに収入を上げるファッション・ショッピングモールのモデル兼社長で、特にインターネット「オルチャン」(美少年)として有名だった。美少年、美少女を意味するこの過去の流行語のおかげで、10年前にケーブルテレビ番組『オルチャン時代』に出演したほか、ドラマも撮影した。「職業が『オルチャン』だった頃だ。大学で漫画学科を卒業したが、当時の漫画市場は非常に低迷していた。自分でも本当にずる賢いと思うが、今のように漫画でお金が稼げる時代だったら、選択肢は違っていたはずだ。大学の授業料も学資金の貸し出しで賄った。商売しながらテレビにも出演した。何でもかんでも手当たり次第にやりながら、一生懸命に暮らしてきた」。しかし、一生の夢はパク・テジュンさんを揺さぶった。「年齢も30歳を過ぎた。漫画を描くことができて非常に感謝している。連載しながら一日も休んだことがない。たまに行き詰まったときは休養に出掛け、そこでペンを執る」。従ってSNS(会員制交流サイト)に掲載されている写真だけを見て誤解してはならない。パク・テジュンさんは常に働いているのだ。
過去の放送で自ら「私は関心種子(他人に注目されることを好む人)だ」と告白したことがある。自身の漫画に、フェイスブックでスターになるのを夢見る関心種子として「パク・テジュン」というキャラクターも描いている。「漫画を描くことで有名になりたかった。関心の矛先が自分に向いてくれることを願った。でも今は反対だ。最近ではテレビへの出演依頼が入ってもほとんど断っている。作業を進める上でスケジュールに支障を来すからだ」。パクさんは昨年ショッピングモールから手を引き、漫画家一本で暮らしていくことにした。