サムスン電子は1日、京畿道平沢市の「平沢キャンパス」に8兆ウォン(約7000億円)を投資し、NAND型フラッシュメモリーの生産ラインを建設すると発表した。5月21日には同じ場所に9兆ウォンを投資し、半導体ファウンドリー(受託生産)のラインを新設すると発表したばかりだ。サムスンが相次いで数兆ウォン規模の最先端半導体工場の新設計画を明らかにしたのは異例だ。
半導体専門家は「新型コロナウイルスと米中通商摩擦で世界の半導体市場に不確実性が高まる中、果敢な先行投資で後発メーカーとの差をさらに広げようという伝統的なサムスン式半導体戦略だ」とみている。ただ、財界の一部からは「思い切った投資戦略はよいが、最近やや急ぎ過ぎの感がある」との感想も漏れる。
■背景にNANDメモリーの需要増
サムスン電子は先月、平沢第2生産ライン(P2)でNAND型フラッシュメモリーの生産のためのクリーンルームの工事に着手した。来年下半期から最先端の積層NAND型フラッシュメモリー(V-NAND)を量産する予定だ。NAND型フラッシュメモリーは電源が切れてもデータが損傷しないメモリー半導体で、主にスマートフォンやデータセンターでデータ保存用に使われる。サムスン電子は昨年時点でNAND型フラッシュメモリー市場のシェア35.9%を掌握し、18年連続で首位を守っている。