Kリーグ初の北朝鮮代表出身MVP安柄俊「李同国のように長くプレーしたい」

水原FCの昇格導いた在日3世
強力なミドルシュート・決定力で別名「人民ロナウド」「人民レヴァンドフスキ」

■人民ロナウドのコリアンドリーム

 安柄俊は2018年12月に水原FCのユニフォームを着た時から、実力よりも北朝鮮系ということで注目された。北朝鮮の17歳、23歳以下の年齢別代表に続き、2011年から2017年まで北朝鮮代表としてAマッチ(国家対抗戦)8試合に出場した。済州島出身の安柄俊の祖父母は日本に渡って安柄俊の父親を生んだ。父と同じように日本で生まれた安柄俊は父に従って日本で北朝鮮国籍を取得した。彼は「子どものころ、日本で『北朝鮮の子』と時々からかわれた」と話す。2013年に川崎フロンターレに入団してプロデビューを果たして以来、主に2部(94試合19ゴール10アシスト)でプレーした。2018年末にロアッソ熊本が3部降格となると、水原FCが彼に手を差し延べた。

 安柄俊は「韓国で生活するということを考えたことがなかったので、長い間悩みましたが、二度とない機会だと思いました。初心に返るという気持ちで水原に来ました」と言った。韓国での1年目は容易ではなかった。市民球団である水原FCの1年間の予算は、企業球団の水原サムスン(2019年は約180億ウォン=約17億円)の半額程度。専用スタジアムやクラブハウスもなかった。スタジアム管理人に「決まった時間意外にやたらにピッチに入らないように」としかられたこともある。

 昨シーズン中盤にひざを痛め、しばらくスランプに陥ったが、今シーズン開幕前は体当たりの多いKリーグで生き残るために体力トレーニングに専念した。彼は「筋肉量が3-4キログラム増えて、シュートに力がつき、自信がわいてきました」と語った。ファンはゴールを決める鋭い決定力と強力なミドルシュートを持つ彼に「人民ロナウド」「人民レヴァンドフスキ」「レヴァン・ドンム(=北朝鮮の言葉で友達)・スキ」などの愛称を付けた。

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チュ・ヒョンシク記者
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