「朴恩貞支庁長が城南FC捜査を阻止」 次長検事が辞表

 共に民主党から韓国大統領選に出馬する李在明(イ・ジェミョン)候補が城南市長在任中、プロサッカーチーム「城南FC」が企業から受け取った後援金を巡る疑惑で、水原地検城南支庁の朴夏英(パク・ハヨン)次長検事が25日までに、上司である朴恩貞(パク・ウンジョン)城南支庁長に疑惑の再捜査を阻止されたことに抗議して辞表を提出したことが分かった。

 問題の疑惑は李候補が2015年から17年にかけ、城南市長として在任中、城南FCのオーナーを務め、企業6社から城南FCへの後援金、広告費の名目で160億ウォン(約15億2000万円)を受け取り、見返りとして企業を優遇したとされるものだ。

 18年6月に野党は李候補を収賄の疑いで告発し、警察は3年3カ月にわたって捜査を先延ばしした末、昨年9月に嫌疑なしとして、送検を見送った。これに対し、告発人が異議申し立てを行ったため、事件の送致を受けた城南支庁は再捜査の是非の検討を開始した。

 本紙の取材を総合すると、朴夏英次長検事は刑事1部と共に警察の事件記録を検討後、再捜査の必要性があると朴恩貞支庁長に数回報告したという。しかし、朴恩貞支庁長は毎回再検討を指示するなど、4カ月にわたり事実上捜査を妨害したとされる。朴恩貞支庁長は昨年、法務部監察担当官として、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長(当時)の懲戒を主導するなど代表的な政権寄りの検事に数えられる。

 検察関係者は「朴夏英次長検事は『朴恩貞支庁長が捜査を阻んでいてつらい』と悩みを明かした」と話す。朴夏英次長検事は朴恩貞支庁長が不当な指示を行うたびにその内容を一目瞭然にまとめた日誌を作成したという。事件の主任検事であるH検事も「抗議」の意味の年次休暇を取得し、現在出勤していないもようだ。法律専門家は「朴恩貞支庁長が正当な捜査を阻止したとすれば、職権乱用に当たる」と指摘した。

 朴夏英次長検事は法務部に辞表を提出後、検察内部の掲示板「イープロス」にも辞職することを書き込んだ。朴夏英次長検事は本紙の電話取材に対し、「一身上の理由で検察を去ることになった」とだけ答えた。朴恩貞支庁長には連絡したが、取材に応じなかった。城南支庁は「捜査記録を法と原則に従い検討中であり、補完捜査要求を阻止したというのは事実ではない」とコメントした。

尹柱憲(ユン・ジュホン)記者、表泰俊(ピョ・テジュン)記者

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