ウクライナ当局「自爆ドローンの使用法、ロシア軍に教えたイラン人教官を暗殺」

 ロシアの侵攻で始まったウクライナ戦争が、徐々に西側と反西側陣営間の「国際戦」の様相を露わにしつつある。イランがロシアに攻撃用無人機(ドローン)を提供したのに続いて、ドローン教官まで前線付近に派遣していたことが把握され、武器を通した間接支援だけでなく人員を通した直接支援まで開始したという分析が出てきている。ここでイスラエルがウクライナに対する武器支援に乗り出し、北朝鮮もロシア支援に乗り出したとの観測が出て、両陣営間の戦線は拡大し続けている格好だ。

 ウクライナ国家安全保障国防会議のオレクシー・ダニーロフ書記は24日(現地時間)、英日刊紙「ガーディアン」の取材に応じて「イラン人教官らがクリミア半島でロシア軍にイラン製自爆ドローンの使用法を教えていることを確認、彼らを攻撃して処断した」と主張した。正確に何人が攻撃対象になったかは明かさなかった。ダニーロフ書記はさらに「このイラン人らは(ロシアが不法占領した)われわれの領土に来て、テロリスト(ロシア)に協力し、わが国への破壊行為に参加した」とし、「これからも(戦争に)関与するイラン人は追加で標的になるだろう」と警告した。

 これに先立ち、イスラエルのメディア「エルサレム・ポスト」は、「クリミア半島で先月10人のイラン人がウクライナの攻撃で死亡したという報道があった」と伝えている。ニューヨーク・タイムズ紙は先月18日に「イラン革命防衛隊(パスダラン)所属の教官数十人がクリミア半島に派遣され、ロシア軍にドローンの操縦法を教えている」と伝え、後に米国防総省もこの報道は事実だとした。

 ダニーロフ書記が「ガーディアン」紙のインタビューで語った内容について、イランとロシアは何ら反応を示していない。ロシアはイランの軍事支援を一貫して否定してきただけに、今回も沈黙するだろうとの予想が多い。イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は今月4日、「ロシアのウクライナ侵攻前に限定的な数のドローンを供給したことはあるが、その後はいかなる(武器および人員)支援もなかった」とコメントした。

 ロシア軍は先月中旬から、イラン製自爆ドローン「シャヘド136」を広範囲に使用中だ。翼幅2.5メートル、全長3.5メートル、重さ200キログラムの小型ドローンで、最高速度は時速185キロ。爆発物の搭載量は、一般的なミサイルの10分の1に相当する36-50キロ程度だという。威力は多少落ちるが、1機当たりの価格は数千万ウォン(1000万ウォン=約104万円)水準で、少なくとも数億ウォン(1億ウォン=約1040万円)台に達するミサイルに比べるとはるかに安い。また、低速だが正確に目標を攻撃することが可能だ。そのため、従来の巡航ミサイル・弾道ミサイルを代替する「コスパの高い武器」と評価されている。実際、最近被害を受けたウクライナのエネルギー関連インフラの相当数が、このドローンの攻撃を受けたものといわれている。

 ウクライナは、イランがロシアに「シャヘド136」に加えて別の攻撃用ドローン「モハジェル6」など、合わせておよそ2000機のドローンを提供してきたとみている。また、イラン人ドローン教官がドローンの運用教育はもちろんのこと、実際の運用にも直接介入してきたとの疑念を持っている。

パリ=チョン・チョルファン特派員、ペク・スジン記者

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