慰安婦団体への寄付金横領、尹美香議員に罰金刑も大半は無罪…韓国法曹界「納得し難い」

後援金横領で罰金1500万ウォンを宣告

 正義記憶連帯(正義連)の寄付金1億ウォンを横領した罪などで起訴された尹美香(ユン・ミヒャン)議員=無所属=に対し、裁判所は10日、罰金1500万ウォン(現在のレートで約154万円。以下同じ)を言い渡した。2020年9月の起訴後、2年5カ月も引き延ばし、この日に一審の結果が出たが、裁判は主な容疑の大部分について無罪と判断した。

【写真】一審判決公判に出廷する尹美香議員

 尹議員は横領のほか、認知症になった慰安婦被害者の吉元玉(キル・ウォンオク)さんが受け取った募金のうち7920万ウォン(約816万円)を正義連などに寄付させた準詐欺など、6つの罪で起訴された。ソウル西部地裁刑事11部(裁判長:文炳賛〈ムン・ビョンチャン〉部長判事)は10日、5つの罪について無罪を言い渡し、有罪が宣告されたのは業務上横領など一部で、2011年から2020年にかけて正義連(当時は韓国挺身隊問題対策協議会)の法人口座や尹美香議員の個人口座に募金された寄付金のうちおよそ1700万ウォン(約175万円)を任意に使用したというものだった。残りの横領容疑について裁判部は、尹議員が明確な用途を証明できなくとも「検察が厳格な証拠で証明すべき」という趣旨で無罪と判断した。

 法曹界からは「正義連が非営利法人だという点を看過しており、納得し難い判決」という反応が出た。ある現職判事も「私企業と違って非営利法人は市民の寄付金や補助金を受け取るのであって、一層厳格な基準を適用して法律的責任を問うべきだった」と指摘した。

シン・ジイン記者

アン・ジュンヒョン記者

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