二審で執行猶予付き懲役刑、議員失職では犯した罪の100分の1も償えない尹美香【9月21日付社説】

 日本軍慰安婦被害者のための後援金を横領したなどとして起訴された尹美香(ユン・ミヒャン)議員が二審で執行猶予付きの懲役刑を言い渡された。金福童(キム・ボクトン)さんに対する弔意金1億3000万ウォン(約1450万円)を個人名義で不当に募金し、無関係の用途に使い、人件費を粉飾して数千万ウォンの国庫補助金を受け取った点でも有罪になった。一審の罰金刑というとんでもない免罪符判決は二審で正された。懲役刑が確定すれば、尹議員は議員職を失うことになる。

【表】一審罰金刑の尹美香「寄付金横領」事件→二審執行猶予の背景

 尹議員による最も破ずべき犯罪は、慰安婦被害者のために使ってもらうための国民の寄付金を私的に使ったことだ。尹議員はその資金でカルビを食べ、足マッサージ店とみられる場所にも行った。動物病院、菓子店、コーヒーショップで使った形跡もある。尹議員は資金の正当な使途を立証できず、裁判所は資金が個人的に流用された可能性があるとみた。常識的で合理的な判断だ。一般人の良心では想像できない犯罪だ。議員失職刑は尹議員の罪の100分の1を償うことにもならないだろう。

 この事件は慰安婦被害者である李容洙(イ・ヨンス)さんが尹議員について、「30年間慰安婦を利用して食べてきた」と暴露したことで明るみに出た。その瞬間、尹議員は議員としての資格を喪失しただけでなく、人間としても堂々と生きていけなくなって当然だった。にもかかわらず、尹議員は一審で免罪符の判決が出ると、横領程度は罪でもないかのように公の活動を再開した。日本大使館前のデモに現れ、「この3年間、とてもつらかった」と話した。先ごろは政府の公式追悼式を無視し、朝鮮総連などが日本で主催した関東大震災100周忌行事に参加した。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表も一審判決直後、「どれほど悔しかっただろうか。申し訳ない。悪いことをした」と尹議員をかばった。二人とも図々しいとしか言いようがない。

 尹議員は二審判決後、「数多くの人が献身、連帯してつくり上げた30年間の日本軍慰安婦問題解決運動がこれ以上貶められないように最後まで戦う」と述べた。それが慰安婦被害者のための金銭を横領した人物の口から出てくる言葉なのか。大法院で判決が確定するには少なくとも数カ月かかるだろう。そうすれば、尹議員は議員任期4年をほぼ満たすことになる。韓国社会で法的正義はどこに行ったのかと問わざるを得ない事態があまりにも多く起きている。

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