「ライムファンド詐欺事件」主犯から政治資金受領、共に民主議員ら起訴…秋美愛法相時代に捜査中断

 韓国検察当局は23日、野党・共に民主党の奇東旻(キ・ドンミン)国会議員と李寿珍(イ・スジン)国会議員(比例代表)を含む4人をスターモビリティーのキム・ボンヒョン元会長から違法な政治資金を受け取った罪で在宅起訴した。キム・ボンヒョン氏は個人投資家4000人余りが1兆6000億ウォン(約1660億円)の被害を受けた「ライムファンド事件」の中心人物で、今月初めに一審で懲役30年の判決を受けた。

 ソウル南部地検は奇議員に対し、政治資金法違反、斡旋収賄の容疑を適用した。奇議員は総選挙期間の2016年2月から4月にかけ、キム・ボンヒョン氏とMBC(文化放送)幹部出身のL氏から選挙資金やソウル良才洞貨物ターミナル用地の許認可に絡む便宜供与などの名目で現金1億ウォンと200万ウォン相当の衣服を受け取ったとして起訴された。

 李議員と金栄春(キム・ヨンチュン)元民主党議員はそれぞれ2016年2月、3月にキム・ボンヒョン氏、L氏からそれぞれ500万ウォン受け取ったことが判明した。また、民主党の前身であるヨルリンウリ党(開かれたウリ党)の副広報を務めたK氏も16年2月、キム・ボンヒョン氏らから違法な政治資金5000万ウォンを受け取ったとして起訴された。

 政界関係者とキム・ボンヒョン氏の癒着疑惑は、文在寅(ムン・ジェイン)政権期の20年5月、ソウル南部地検がライムファンド事件を捜査していた際、メディア報道で浮上した。当時検察はキム・ボンヒョン氏が民主党の現職・元議員に金品を提供し、「海外リゾート」で接待を行ったという録音を確保し、奇議員ら4人を呼んで聴取した。

 ところが同年10月、キム・ボンヒョン氏が獄中書簡で「検察が当時、民主党政治家に供述するよう懐柔した」と主張し、捜査チームは事実上解体された。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官(当時)は「獄中書簡」を根拠に尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長(当時)をライムファンド事件の捜査から排除する捜査指揮権を発動し、それ以降は民主党の政治家に対する捜査は事実上中断された。当時事件を指揮した李正洙(イ・ジョンス)ソウル南部地検長は、その後法務部検察局長を経て、ソウル中央地検長に異動した。

 しかし、キム·ボンヒョン氏は保釈中の昨年12月に電子足輪を切って逃走。逮捕された後、「獄中書簡」の内容を覆し、捜査は新たな局面を迎えた。検察関係者は「政治資金法違反の公訴時効(7年)成立が迫っているため、逮捕状を請求せずに起訴した」と説明した。奇議員と李議員は「相次いで内容を覆す偽りの供述による起訴だ。法廷で真実が明らかになるだろう」と反発した。

宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者、チョン・ヘイン記者

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