中国初の国産空母「山東」の屈辱…米国に誇示する訓練で実力差が浮き彫りに

空母「山東」、就役から4年を経てグアム海域まで進出し、力を見せつけたが…

「スキージャンプ台を用いた発艦に限界、燃料補給の問題など、弱点ばかりがあらわに」との評価

■出撃回数は米空母の6分の1

 米空母はこの問題を解決するため、蒸気や電磁エネルギーを利用して時速250キロ以上に急加速するカタパルト(catapult、射出装置)を使っています。そのおかげで、南シナ海にローテーション配備される空母「ロナルド・レーガン」は、艦載機の最大発艦重量が45トンに達します。一方、山東の艦載機の最大発艦重量は28トンほどです。燃料や武装が減ると作戦半径は短くなり、戦闘力も低下します。

 空母の戦闘力を測る尺度の一つ、ソーティ(sortie. 出撃回数)の面でも限界があります。山東は、グアム海域での訓練中に1日平均20回ほど戦闘機を出撃させたといいます。ニミッツの1日平均出撃回数が120回ほどなのと比べると、6分の1です。ほとんど小学生と大学生くらいのレベル差だと見ることができます。

 通常動力を用いていることも問題です。山東が自艦の燃料で航行できる期間は15日ほどにすぎません。行き来に要る分の燃料を考慮すると、実際の作戦期間は7日前後です。逆に米国の原子力空母は、理論的には数年間、燃料補給なしで航行できます。

 そのせいで中国の空母は、機動部隊の後方に補給艦が追随します。遼寧は昨年12月、グアム海域で訓練を行った際、補給艦から燃料補給を4回受けたといいます。

■「空母技術の発展は急速…『福建』は警戒対象」

 黄曙光・元台湾軍参謀総長(退役海軍2級上将。海軍大将に相当)が面白いアイデアを出したといいます。中国の空母が作戦海域に到達する前、ミサイル高速艇などを利用して補給艦を撃沈すれば、空母の作戦能力が制限されることは避けられないといいます。山東としては、それなりに一生懸命力を誇示したのですが、弱点ばかりがあらわになった格好です。

 こうしたさまざまな限界はあるものの、米国は中国の空母技術の発展スピードが速いことに緊張しています。昨年6月に進水した3隻目の空母「福建」は、米国のジェラルド・フォード級原子力空母に搭載している電磁式カタパルトを積んだといいます。まだ性能は未検証ですが、きちんと動くのであれば米軍にとって大きな脅威になりかねないといいます。米国の専門家らは、中国の空母がきちんとした作戦能力を備え、原子力空母まで開発するにはおよそ10年ほどかかるだろうとみています。

 中国の軍事専門家らは、こうした格差を認めつつも、近海では中国の空母が米国に一方的にやられることはないと主張しています。陸上基地から発進する早期警戒機の支援を受けることができ、「空母キラー」ミサイルまで動員すれば、十分に米空母機動部隊をけん制する役割を果たせるのです。

崔有植(チェ・ウシク)東北アジア研究所長

【写真】空母「山東」のスキージャンプ台を利用して発艦するJ15戦闘機

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