韓国の元大学入試出題委員、模擬試験問題を作成して進学塾向けに販売していた

 出題委員が進学塾に転職することもある。現役教師が大学修学能力試験の出題委員や検討委員として参加した後、江南地区の進学塾の講師に転職しているのだ。一部の人物は出題に携わった事実を略歴に公然と書いており、過去にも問題になった。「出題経歴を明らかにしない」と誓約していながら、それに違反したのだ。職業選択の自由はあるが、教育界からは「出題経歴を商業的に利用している」という批判がこれまでも存在した。

 2016年には大学修学能力試験の模擬試験(本試験に先立つ難易度調整試験)の検討委員として加わった現役の高校教師が有名進学塾国語講師から金銭を受け取り、模擬試験問題を漏えいした事実が明らかになり、懲役刑を受けた。試験出題陣と有名塾講師の「問題取引」が明るみに出た事件だ。

 ソウル地域の私大教育学科教授は「進学塾業界が出題委員になった人物に目を付け、常にスカウトしようとしている。進学塾は元出題委員の教授を顧問として招き、その教授の教え子を進学塾に迎えるネットワークもある」と話した。

 塾が高校の教育課程だけでは解けないような「キラー問題(超難問)」による模擬試験を作成して商売していることも問題視されている。例えば、成績最上位の学生たちが集まる江南の進学塾は講師や大学院生などから「キラー問題」を数学1問当り75万-200万ウォン(約8万2000-22万円)で買い取っている。そうした模擬試験教材を受講生限定で受講料とは別に月最大100万ウォンで販売する。

 業界では大手進学塾が大学修学能力試験の出題陣を迎え、問題を開発させているとうわさされている。これに対し、ある大手進学塾は「事実無根だ」とし、「(模擬試験を開発する)研究所にも講師にも出題委員は使わない。研究所の人材は全員が塾講師であり、問題の大半は大学生が作成する」と話した。 別の進学塾も「一部講師には(他の進学塾のように)出題委員の経歴があるが、出題陣だから採用したのではなく、講義がうまいからだ」と説明した。

 専門家はこうした問題を解決するため、評価院がキラー問題を排除すると同時に、問題に関するさまざまな分析資料を公開すべきだと主張している。例えば、評価院は大学修学能力試験問題の「正答率」を公表していない。

崔銀京(チェ・ウンギョン)記者、ユン・サンジン記者

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲ソウル市陽川区木洞にある大学進学塾には「キラー問題(超難問)、変形問題専門」という宣伝文句が掲げられていた。/20日、ニュース1

right

あわせて読みたい