自民半導体議連会長「半導体は国家存亡のカギ、日本には最後の機会」(下)

自民党半導体議員連盟・甘利明会長インタビュー

-補助金の実効性はどれほどあるのか。

 「熊本県に進出したTSMCは当初、28ナノメートルの工場を建設しようとした。経済産業省に『補助金を条件に12ナノメートルのラインを要求しろ』と圧力をかけた。TSMCはさらに先端ラインへと変更した。(TSMCの第2工場は)シングルナノ工場になるだろう」


【表】日本の経済産業省がまとめた「半導体戦略」

-新生企業ラピダスは2027年に2ナノメートル半導体の生産を目標としている。

 「日本にも希望が生まれている。 日本は回路線幅40ナノメートル程度の生産拠点(ファウンドリー)しかなかったが、2ナノメートルへの挑戦は日本としては夢のような話だ。2ナノメートル技術を保有する米IBMと技術移転契約を結び、欧州の半導体最高技術研究機関であるIMECとも提携した。オランダの先端半導体設備メーカーASMLも協力する。世界の『トップ企業』と連携する戦略だ」

-日本の半導体人材はあまりに不足している。

 「その通りだ。全世界で活躍する日本人技術者『トップ100』のリストを手に、半導体ドリームを共にしようと求め、相当数が加わった。まさにこの部屋でIBMと直接会い、彼らが本物だと感じ、挑戦することにした。最初はIBMがそんなに優れた技術を持っているなら、なぜ自分でやらないのか、だまされるのではないかという意見もあった」

-日本は過去に半導体で惨敗した。

 「世界の半導体市場で一時はシェア50%だった日本は、21年には10%まで後退した。失敗の要因はいくつかある。米国が力で押さえつけたこともあるが、日本は日本企業同士だけで連携しようとした。日本の家電企業にとって、半導体は事業部門の一つにすぎなかった。失敗から学んだ。現在の戦略は世界のトップと連携することだ。ラピダスのような独立した半導体企業が主導する。補助金支援に関する法律も変えた。過去には研究開発だけが対象だったが、半導体工場にも支給できるようにした」

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