英国でコウモリからヒトに感染する新型コロナウイルス発見…動物を介して感染の可能性

英インペリアル・カレッジ・ロンドン研究陣
6月28日に国際学術誌で研究結果発表
英国に生息するコウモリ16種のウイルスを調査
ヒトに感染する可能性高い新型コロナウイルス検出

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がエンデミック(感染症の流行が地域で普段から繰り返される状況)に移りつつある中、英国に生息するコウモリからヒトに感染する可能性のある新たなコロナウイルスが発見された。直ちにパンデミック(世界的大流行)に広がる可能性は低いが、「『コロナの脅威』は依然として残っている」と懸念の声が上がっている。

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 英国の名門大学インペリアル・カレッジ・ロンドン生命科学科のビンセント・サボライネン教授が率いる研究陣は28日、「英国に生息するコウモリからヒトに感染する可能性のあるコロナウイルスを新たに発見した」と発表した。今すぐヒトに感染する可能性は低いが、変異を経て感染症を起こしかねないだけに、引き続き観察が必要な状況だ。

 人類の歴史上、多くの人命被害が発生した感染症を調べると、ほとんどが動物から始まってヒトに感染した人獣共通感染症が多い。特に、農業を行い、食肉を得るために家畜を育てる中で麻疹(ましん)・結核・天然痘など命にかかわる感染症が流行した歴史があるほか、「人類史上最悪の感染症」と呼ばれるペストも都市部で生息していたネズミが原因とされている。これまでに発見された人獣共通感染症は250種に達する。

 人獣共通感染症は今後も増え続けるものとみられる。環境汚染で野生動物とヒトとの接触が増えることが最大の原因として指摘されている。特にCOVID-19の原因として指摘されているコウモリは、さまざまな種類のウイルスを持ったまま都会の建物に生息することもあるため、「感染症の貯水池」と呼ばれることもある。

 研究陣は英国に生息しているコウモリ17種のうち、16種から今後ヒトに感染する可能性が高いウイルスを発見した。コウモリのふんの標本48件を収集し、ウイルスの種類や遺伝的な特徴を調査した結果、9種のコロナウイルスが存在することが分かった。

 英国のコウモリが持つコロナウイルスの系統を調査した結果、2種はこれまで発見されていない新種であることが分かった。このうち1種は2015年に全世界で流行した中東呼吸器症候群(MERS)と関連しており、もう1種はCOVID-19を誘発したサルベコウイルスに属することが分かった。人類に致命的な感染症を起こしたウイルスの新たな「親せき」が発見されたのだ。

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