プロゴルファーたちはなぜ賞金が出ない団体戦に出場するのか【朝鮮日報コラム】

ライダーカップ、ソルハイムカップなどの対抗戦は出場そのものが名誉で誇り
孤独な個人戦とは違い仲間と共に「自分以上にもっと大きなこと」を経験する機会

 米国と欧州の女子プロゴルフ対抗戦ソルハイムカップが9月25日、史上初めて同点引き分けで終わった。同点時のルールに従い、記録上前回優勝した欧州チームの勝ちとなった。今週末にはイタリアで男子の対抗戦ライダーカップも開催される。米国が欧州を除く国々と対戦するプレジデンツカップは来年開催予定だ。

 いずれも2年ごとに開催される団体戦で、非常に権威があり人気も高い。通常のゴルフツアー大会とは違い、選手12人が一つのチームとなり大人数の応援団が熱狂的な歓声を送る。数十年の大会の歴史で数多くの名勝負も生まれた。サウジアラビアの新しいゴルフ組織LIVゴルフは団体戦の形式とパーティーのような雰囲気を前面に出しているが、これはライダーカップを参考にしたものだ。PGA(米プロゴルフ協会)ツアーからLIVに離脱する選手が出るたびに「この選手はPGAツアー出場が禁止されてもライダーカップには選ばれるかもしれない」とゴルフ界で大きな話題になってきた。

 ライダーカップやソルハイムカップ、プレジデンツカップには賞金がない。それでも選手たちは代表チームに選ばれることを最高の名誉、あるいはゴルフ人生最大のハイライトと考えている。出場した選手たちはチーム名がやや大きめに描かれたゴルフバッグを個人の優勝トロフィーと同じく大切にし、最もよく見える場所に飾る。ライダーカップに再び出場したい思いからPGAツアー出場権を放棄した英国選手もいた。欧州ツアーで活動することが次のライダーカップ欧州代表に選抜される際に有利になると考えたからだ。しかしこの選手はライダーカップ出場がかなわず、米国進出の機会を失っただけで終わった。

 ライダーカップ出場の意味についてデンマーク出身のトーマス・ビヨンは「私はそれまで以上にはるかに大きな何かの代表になった」と説明した。タイガー・ウッズは「個人よりも大きなことのために何かができる瞬間は常に特別なものだ。仲間の選手たちと心を一つにしてチームを築いた経験を永遠に大切にしたい」と述べた。個人種目のゴルフ選手たちは試合中はいつも孤独だ。自分の名誉を懸け自分自身のために競技に取り組み、1人で全ての選択を迫られその結果に責任を持つことで自らの実力を証明する。その選手たちにとって団体戦は共同体とチームワークを経験し、個人の富と名誉以上に高い次元の価値を追求する機会となる。

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