北朝鮮が核兵器を200発保有すると…「韓国でハマスのような攻撃が続発」

イスラエル・パレスチナ戦争
米国の専門家が韓半島に及ぼす影響を分析

 パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは大規模ロケット砲攻撃でイスラエル軍を混乱に陥れ、さらに電動パラグライダーに乗った戦闘員を国境を越えてイスラエル側に侵入させ、兵士や民間人を人質として捕らえる動画をSNS(交流サイト)に公開し世界を震撼(しんかん)させた。軍事作戦と心理戦を結合させたいわゆる「ハイブリッド戦争」の動画を事前に広めたわけだが、これは北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国にとってもその意味合いは決して小さくない。

【表】韓国の安全保障に南北軍事合意がもたらした空白

 米ランド研究所のブルース・ベネット防衛上級研究員は8日(現地時間)、米政府系ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の取材に「北朝鮮が200発あるいは300発の核兵器を保有すれば、今後5-10年間に今回のハマスのような攻撃が韓国で起こる可能性が出てくる」と指摘した上で「核兵器をちらつかせながら特殊部隊を使えば、韓国に対する攻撃を非常に巧みにできると(北朝鮮は)感じるだろう」との見方も示した。実際に北朝鮮が局地的な挑発を仕掛け、その上で韓国に対する戦術核の使用に言及すれば、韓国と米国はこれに対応する手立てが簡単にはみつからない。「戦争か平和か」を巡って韓国国内での対立が激しくなる可能性も考えられる。

 ハマスと同じく北朝鮮も有事にはSNSを使って韓国国民に恐怖心を抱かせようとするだろう。北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が権力を握って以来、サイバー攻撃など非対称の戦力を高めることに全力を傾けてきた。例えば韓国政府高官死亡説といったフェイクニュースを拡散させ、混乱をあおるケースが考えられる。また約20万人規模とされる北朝鮮の特殊作戦軍が韓国国内深くに侵入し、要員の暗殺や基幹施設などを破壊するかもしれない。この部隊は北朝鮮の最精鋭特殊部隊だ。ある韓国軍筋は「北朝鮮もハイブリッド作戦を発展させており、今回の戦争も決して人ごとではない」と警戒する。北朝鮮は開戦から1時間以内に長射程砲で最大1万6000発の砲弾を首都圏に降らせると予想されているが、これもハマスのロケット砲以上の威力と正確度を持つという。

 このような状況で韓国国防部(省に相当)のシン・ウォンシク長官は9日、最前線部隊となる陸軍第1師団を視察し「これまで北朝鮮は韓国で新政権が発足してから2-3年目に大規模な挑発を敢行してきた」「北朝鮮が挑発を仕掛けてくれば直ちに、強力に、最後まで敵に打撃を与え、新たな挑発の考えや能力を粉砕する」と述べた。

金隠仲(キム・ウンジュン)記者

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