ハロウィーンまで残りわずか、韓国で懲役刑の可能性もあるコスプレとは

 昨年、ソウルの繁華街・梨泰院で159人の死亡者を出したハロウィーン雑踏事故。そのハロウィーンが1週間後に迫る中、コスプレ用の警察の制服が依然として中古品取引サイトに出品されていることが分かった。「警察コスプレ」は、事故が起きた時に本物の警察官と誤認される可能性が高いため、完全に違法だ。昨年のハロウィーン雑踏事故当時も、駆け付けた警察官が「警察官の仮装をした一般人」と間違えられて事故対応が遅れたとの指摘が出た。

【写真】NAVER「ハロウィーン 警察服」検索結果

 24日現在、検索サイトで「ハロウィーン 警察服」「制服 コスプレ」などのワードで検索すると、警察の制服を販売するという投稿が多数見つかる。ほとんどは1万-3万ウォン(約1100-3300円)程度と比較的手頃な価格設定だ。警察の制服だけでなく、実際に警察が使うものにそっくりな警棒、無線機、手錠などがセットで5万-6万ウォン(5500-6600円)程度で売られているケースもあった。

 手頃な価格で容易に手に入るため、今回のハロウィーンでも警察コスプレを考える人がいそうだが、現行法上は警察コスプレは違法だ。警察の制服や警察装備の規制に関する法律(警察制服装備法)第9条は、警察公務員ではない人が警察の制服・装備を着用したり、使用・携帯したりしてはならないと定めている。これに違反した場合、6カ月以下の懲役または300万ウォン(約33万円)以下の罰金・拘留、あるいは科料に処せられる可能性がある。貸与または販売する場合、処罰はさらに厳しくなる。警察制服装備法第8条は、警察の制服・装備を製造、販売、貸与した場合、1年以下の懲役あるいは1000万ウォン(約110万円)以下の罰金を科すと明示している。

 昨年10月29日に起きた梨泰院のハロウィーン雑踏事故当時、現場にいた人たちが本物の警察官をコスプレと勘違いし、統制に応じようとしなかったことから、警察制服装備法の重要性に注目が集まった。当時、生存者の一人は「(警察官はいたが)ハロウィーンだったため仮装した一般人だと思い、周囲の人たちも道を空けようとしなかった」と話した。別の目撃者も「警察が来ても誰が来ても、皆ハロウィーンの仮装だと思い込んでいた。そのため誰も道を空けようとしなかった」と語った。韓国に住んで6年になるというスペイン出身のマルコ・モレリさんも、米紙ワシントン・ポストの取材に対し「ハロウィーンで多くの人たちが警察官の仮装をしていたため、現場がひどく混乱した」と話した。

 このため一部の中古品取引サイトは、ハロウィーンを控え、警察の制服の売買について監視を強化している。中古品取引サイト「タングンマーケット(Karrot)」は、ユーザーが問題のある出品内容を発見した場合、すぐに通報できるよう、通報理由に「警察用品」の項目を追加した。同マーケットの関係者は「ハロウィーンを控え、警察の制服のコスチュームに対する集中的な監視と取り締まりが行われており、制裁の規模が大きくなっているため、ユーザーは特別な注意が必要だ」と話した。

 消防隊員のコスプレも同様に処罰の対象だ。軽犯罪処罰法第3条1項は、資格のない人が法令で定められた制服、勲章、記章または記念章、標章あるいはこれらに類似したものを使用した場合、10万ウォン以下の罰金、勾留あるいは科料に処すると定めている。

パク・ソンミン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲イラスト=UTOIMAGE
  • ハロウィーンまで残りわずか、韓国で懲役刑の可能性もあるコスプレとは

right

あわせて読みたい