総選挙を控えたこの時期に…韓国ネイバー、「返信への返信」サービス開始

「コメントの返信への返信」が可能に
「ドルイドキング事件」のような世論操作再発の懸念も

 ポータルサイト「ネイバー」が、ニュース記事のコメントへの返信にさらに返信を付ける「返信への返信」サービスを開始した。コメントを書き込んだ人同士が活発に意見交換できるようにするというのがサービスの目的だが、実際には特定の人を集中的に攻撃したり、世論扇動に悪用したりするのではないかという指摘が出ている。特に、「ドルイドキング事件(ネット書き込みねつ造事件)」以降、コメントサービスを徐々に縮小してきたネイバーが、来年4月の総選挙を前にしたこの時期に新たなコメントサービスを導入したという点で「コメント戦争をたきつけてクリック数を稼ぐ戦略ではないか」との批判も出ている。

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 ネイバーは今月16日、ニュースサービスについてのお知らせを通じ「これからは特定のコメント返信に対して『返信への返信』を作成できるようになる」と告知した。ネイバーではこれまで、ニュース記事のコメントに返信を付けることができたが、その返信にさらに返信することはできなかった。ネットユーザーらはコメントに自身のIDの一部を書き込む形で自身の意見を表明していたが、どのコメントに対するコメントなのか明確には分からなかった。しかし、今回新たなサービスが始まったことで、ネイバーのコメントに付けられた返信のうち特定のユーザーの返信に再び返信を付けることができるようになり、どの書き込みに対する返信なのか元の書き込みまでたどれるようになった。ネイバーの今回のコメント機能強化について、「X(旧ツイッター)やフェイスブックのように、一つの書き込みに返信が延々と続くSNS(交流サイト)スタイルに変わった」と評する声もある。

 ネイバーは今回のサービス強化について「コメントの意見交換機能とコミュニティー機能をより強化するため」と説明した。しかし、開始からわずか三日で、ネイバーのコメント欄での対立は以前よりはるかに深刻になっている。特に、特定の書き込みにコメントと返信が延々と付けられるため、かつてネイバーが廃止した「ベストコメント」が復活したようなものだという指摘も出ている。実際に、2024年度の大学修学能力試験(修能、日本の大学入学共通テストに相当)の難易度を分析した記事のコメント欄は、コメントを付けたネットユーザーの政治的性向を批判する返信で埋め尽くされた。IT業界のある関係者は「Xでコメントや返信の多い投稿が人気を集めるように、ネイバーのコメントサービス強化の影響で返信の多い記事が多く読まれるようになり、世論が偏るという結果につながる可能性がある」と指摘した。つまり、目立たせたいコメントや攻撃したいコメントを特定の勢力がコメント欄上段に表示させる、ということが再び可能になるという意味だ。

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  • ▲京畿道城南市盆唐にあるネイバー本社。/チョン・ギビョン記者

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