総選挙を控えたこの時期に…韓国ネイバー、「返信への返信」サービス開始

「コメントの返信への返信」が可能に
「ドルイドキング事件」のような世論操作再発の懸念も

 ネイバーのコメント機能強化は、これまでのネイバーの動きとは正反対だ。ネイバーは2020年、芸能とスポーツ記事のコメント欄を全て閉鎖した。ガールズグループf(x)のメンバーだったソルリさんや、KARAのメンバーだったク・ハラさんなど、悪質なコメントに悩まされていた芸能人やプロスポーツ選手らが相次いで自死したり、苦痛を訴えたりしたことから、悪質な人格攻撃の温床となっていたコメント欄を完全に封鎖したのだ。世論の尺度と考えられていた「リアルタイム検索ワード」についても、特定の勢力によって操作される懸念が高まったことから21年2月に廃止された。そのようなネイバーが、総選挙を前にニュース記事のコメント機能を強化したのだ。この動きをめぐり、「結局はアクセス数を増やしてカネを稼ぐという魂胆なのではないか」と批判が出ている。

 ネイバーは、今年上半期にリアルタイム検索ワードの表示を復活させる動きを見せながらも結局白紙に戻したという「前歴」もある。韓国の二大ポータルサイト、ネイバーとカカオは今年4月にそろって「キーワード推薦」サービスの導入方針を打ち出した。人工知能(AI)が、ニュース、ブログ、コミュニティーサイトで短時間に頻繁に言及されるテーマを選び、これをユーザーに提示する機能だった。しかし「リアルタイム検索ワードに似ている」との批判が高まり、導入計画を撤回した。

 ネイバーは今回のニュース記事コメント機能強化について「AIをベースにしたフィルタリングシステムで不適切な内容を検出するとともに、コメントと返信(返信の返信を含む)の作成上限数をユーザー1人当たりそれぞれ20件と40件に制限している」と説明している。最低限の安全装置があるため大きな問題にはならないとの立場だ。しかし、専門家らの見方は異なる。中央大(韓国)メディアコミュニケーション学部の劉洪植(ユ・ホンシク)教授は「ポータルサイトのコメント欄が登場してから15年になるが、公的な議論を形成するというよりも、都合の悪い世論を覆い隠したり、感情のはけ口として使われたりすることの方が多い」として「実際には上位5%がほとんどのコメントを書いているのだから、コメント強化がはたして社会のためになるのか疑問だ」と述べた。

アン・サンヒョン記者

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  • ▲京畿道城南市盆唐にあるネイバー本社。/チョン・ギビョン記者

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