「われわれはファミリー企業」「親族採用は伝統」 救いようのない韓国選管

【選管採用不正が波紋】監査院が暴いた「10年間にわたる採用不正」

 韓国全国17市・道の選挙管理委員会でこの10年間に実施したキャリア採用が全て規定違反だったことが分かった。市・道選管を監督しなければならない中央選管もキャリア採用をする際に自ら規定を破っていたが「われわれは憲法機関だから法令を守らなくてもいい」として、違法採用や方便を使った採用を助長してきたことが明らかになった。中央選管と市・道の選管が291回のキャリア採用で規定に違反したケースは878件に達する。

【グラフィック】韓国選管のさまざまな採用不正

 こうした中、選管内では幹部の子女や親族の縁故採用が相次いで行われていた。調査によると、中央・地域選管の人事担当者たちは「選管はファミリー企業だ」と言い、縁故採用疑惑が浮上しても「選挙さえうまくいけばいい」と無視してきたという。縁故採用に関与して摘発されたある職員は、監査院の調査に「以前、選管がキャリア採用をする時、信頼できる人を選ぶために親族を採用する伝統があった」と述べた。

 監査院は27日、こうした内容の「選管採用など人材管理実態」監査報告書を公表し、選管に対して元職員・現職員32人の懲戒処分など不利益措置を取るよう要求した。

■選管トップらが率先して「うちの子を採用して」

 監査報告書によると、選管では複数の最高位職者が率先して子女の採用を請託していたという。中央選管は2019年、仁川選管に人材募集する必要がないのにもかかわらずキャリア採用を行わせ、採用には当時中央選管事務次長だったキム・セファン元中央選管事務総長の息子が応募した。仁川選管は面接担当者を全員、キム・セファン元事務総長と同じ選管に勤めたことがある人々で構成し、その息子を江華郡選管に合格させた。息子は選管で働くことになった後、1年で上級機関である仁川選管に勤務地を移し、官舎を無料で提供してもらえるなどの特別待遇を受けた。この職員は選管内で「世子(世継ぎ)」と呼ばれたという。キム・セファン元事務総長は担当者に「(息子のために官舎を)一つ何とかしてくれ」と言っていたことが調査で分かった。

 キム・セファン元事務総長の後任であるパク・チャンジン元事務総長の娘の採用には点数操作の手法が動員された。2022年にパク・チャンジン元事務総長の娘が全羅南道選管採用に志願すると、人事担当者は面接担当者らに点数表の点数欄を空けておき、ここにパク・チャンジン元事務総長の娘などあらかじめ決まっていた人々が合格するよう点数を書き入れた。ソン・ボンソプ元事務次長は18年、忠清北道選管の人事担当者に電話し、忠清南道保寧市庁の公務員である自身の娘を推薦した。忠清北道選管と傘下の丹陽郡選管は最初から1人だけが志願でき、競争なしで合格かどうかを決める「非多数人競争採用」計画を立て、ソン・ボンソプ元事務次長の娘を選んだ。

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