曺喜大辞任デモの学生団体が最高裁に無断侵入、「平壌遠征出産」活動家の娘2人含む4人を現行犯逮捕

 曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁判所長官)の辞任を要求する奇襲デモを大法院(最高裁判所)で行った学生運動団体「韓国大学生進歩連合(大進連)」メンバーの中に、かつて存在した革新系政党「民主労働党」黄羨(ファン・ソン)元副広報の娘がいることが確認された。法曹関係者が14日に明らかにした。

【写真】最高裁判所で曺喜大辞任を要求する大進連のメンバーたち

 法曹関係者によると、今月9日、ソウル市瑞草区の大法院1階で、「曺喜大は辞任せよ」などのシュプレヒコールを上げながら建物内に無断侵入しようとした疑い(共同住居侵入)で逮捕された大進連メンバー4人のうち、2人が黄羨・元副広報の娘たちであることが分かったという。

 二人は、韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の公職選挙法違反事件について、大法院が二審の無罪判決を破棄・差し戻したことに反発してデモを行った。大進連は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記を称賛したり、駐韓米国大使公邸に違法に乱入したりする活動などにより、親北朝鮮・反米を代表する団体とされている。

 警察は二人を現行犯逮捕した上で、身柄拘束令状を請求したが、ソウル中央地裁は12日、「逃亡や証拠隠滅の恐れは低い」として棄却した。

 二人の母親である黄羨・元副広報は、2005年に平壌で行われた朝鮮労働党創立60周年を祝うマスゲーム・芸術公演「アリラン」公演を観覧するために臨月の身で北朝鮮に行き、朝鮮労働党創立日の10月10日に平壌の産院で娘を出産したため、「平壌遠征出産」を巡り物議を醸した。黄羨・元副広報は当時、あるメディアとのインタビューで「子の故郷が合法的に平壌になった。南北関係の進展を象徴するようで、とてもうれしい」と語った。

 その後も、黄羨・元副広報は北朝鮮の体制を称賛・美化するトークコンサートを開催するなど、親北朝鮮活動を続けてきた。2012年には統合進歩党比例代表15位で総選挙に出馬したが、落選した。

 二人が捜査線上に上がったのは今回が初めてではない。長女は昨年1月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の退陣を要求してソウル市竜山区の大統領室への進入を試みた疑い(共同建造物侵入など)で裁判を受けている。次女は同年3月、大進連のメンバーたちと共に与党・国民の力の党本部に乱入し、成一鍾(ソン・イルジョン)議員の辞任を要求している。

 二人は拘束令状が棄却された後も、動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネル「大進連TV」などで「曺喜大と内乱勢力のあがきはあまりにも腹立たしい」「曺喜大の破棄差し戻しは李在明殺しではなく、主権者である国民の選択権を殺すもの」と主張し、大法院を強く非難した。

パク・ヘヨン記者

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