■シンガポールは徴集兵全員の身元調査
外国系兵士の意識統合は、韓国より移民者が多い先進国が悩んできた問題だ。多くの先進国で少子化傾向によって兵力資源が減少する中、永住権者や外国人の入隊を認める国も増えている。しかし外国出身の兵士が母国に機密を漏えいする事件も相次ぎ、身元検証とスパイ防止の重要性も高まっている。
米国はオバマ政権時代の2008年から16年にかけ、外国人特殊技能者を対象にした兵士募集プログラムを運用した。米軍に従軍すれば家族まで移民が可能となることから人気があったが、2017年に中断され、現在は永住権がなければ入隊できない。豪州も兵力資源の減少を克服するため、昨年から永住権者の入隊を許可した。しかし、募集対象はニュージーランド、英国、米国、カナダなど友好国出身に制限されている。
イスラエルとシンガポールは永住権者にも徴兵制を実施している。外国人でも永住したければ兵役に就けというわけだ。イスラエルは外国に居住するユダヤ人のための兵士募集プログラムも運営し、ヘブライ語教育なども別途に行っている。
中国系、インド系、マレー系が混ざって暮らすシンガポールは、徴兵時に身元調査を行い、配置を変えているという。シンガポール南洋理工大軍事学プログラムのチャン・ジュインイエン副教授は「配置先の敏感性によって程度が異なるが、全ての徴集兵が検証される」と話した。
これに関連して、少数のマレー系兵士が軍内で組織的差別を受けているという指摘もある。オーストラリアのシンクタンク、ローウィ国際政策研究所のティム・ハクスリー博士はシンガポールの防衛政策に関する著書で「マレー系は依然として高い等級の秘密取り扱い認可を受けることが難しく、戦闘兵科にはあまり配置されない」と指摘した。しかし、あるシンガポール専門家は「軍では忠誠心が重要だ。 戦争が起きた際、どの国の側で戦うのかを問わざるを得ない」と述べた。
キム・ジンミョン記者