「韓米同盟の現代化」 対北から対中に役割見直す米国、台湾海峡に言及しない韓国

 「同盟国がすべて完璧に意見の一致をみることはない。米国の立場に共感するという意味ではない」

 李在明(イ・ジェミョン)政権発足後初めて行われた韓米外相会談の後、韓国政府高官は7月31日、ワシントンで記者団に対し、「在韓米軍の役割と責任の変化」と関連してそう語った。米国は今回の会談でも「韓米同盟の現代化」すなわち国際情勢の変化に伴う在韓米軍の役割見直しについて積極的な意見を述べたという。韓国側もそうした方向性は避けられないとみているが、細部では異論も少なくないという意味だ。同盟の現代化には、韓国の国防費増額と在韓米軍駐留費用の韓国負担分引き上げ、戦時作戦統制権の転換、中国けん制と台湾有事への対応策など韓米が対立するポイントが複数ある。結局そうした不確定要素については、今月中旬に予定される韓米首脳会談で突破口を見いださなければならないと指摘されている。

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 在韓米軍は1953年の韓米相互防衛条約締結以来、70年間にわたって北朝鮮の核・ミサイルの抑制に重点が置かれていた。しかし、米国は在韓米軍の役割を拡大し、台湾海峡などインド太平洋地域の他の戦場にも投入可能にする「戦略的柔軟性」議論を公式化している。ブランソン在韓米軍司令官は今年5月、「在韓米軍は北朝鮮撃退だけに焦点を合わせているわけではない。我々はより大きなインド太平洋戦略の一部として域内での作戦と活動に焦点を合わせている」と述べた。

 在韓米軍の変化だけでなく、米国は域内で韓国が航行の自由作戦に参加し、有事の際の後方支援やミサイル・精密誘導兵器供給などを行うことを望んでいる。専門家は域内の安全保障状況によっては、韓国軍の戦闘兵力投入を求める可能性もあるとみている。韓国国防安保フォーラムのオム・ヒョシク事務総長は「台湾有事などに在韓米軍が柔軟に活動し、韓国軍もそれを支援する形態が米国が言う『同盟現代化』の概念だ」と述べた。米国防総省は早ければ今月中にもトランプ政権の新たな国防戦略文書(NDS)と海外駐留米軍再配置検討(GPR)報告書を示す予定だが、そこに在韓米軍の「戦略的柔軟性」に関する内容が含まれる可能性が高い。

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