内乱特別検察官に家宅捜索された在韓米軍、韓国軍から烏山基地ゲートの統制権を回収【独自】

米軍が基地への出入りのコントロールを専担

 在韓米軍が、「セキュリティーの強化」を理由に、これまで韓国軍が持っていた烏山基地(京畿道平沢市)の出入りの統制権を回収すると決めた。去る7月21日に趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官(特検)率いる内乱特検チームが、平壌無人機作戦疑惑の捜査に伴って、在韓米軍への通知なしに韓国軍の案内に従って烏山基地に入り、韓国空軍の防空管制司令部第1中央防空統制所(MCRC)を家宅捜索したことに対する抗議の意味を持つ措置だ―という解釈が出ている。

【写真】「韓国では今何が起きているんだ? まるで粛清か革命のようだ」 トランプ大統領の投稿

 10日の本紙の取材を総合すると、在韓米軍は来月中旬から、烏山基地の外部ゲート3カ所の出入りのコントロールおよび電算記録を米軍が専担するという内容の、出入りのコントロール強化措置を施行すると決めた。現役軍人に対する身元確認も、米軍が発給する国防生体認識システム(DBIDS)カードでのみ行われ、韓国の公務員証は受け付けない。

 在韓米軍地位協定(SOFA)によると、米国は韓国が供与した基地の設定・運営・警護・管理に必要なあらゆる措置を取ることができる。通常、在韓米軍基地の出入りは米軍が専担・管理する。空軍作戦司令部や防空管制司令部MCRCなど韓国空軍の中心的な施設がある烏山基地は、例外的に韓国軍が出入りのコントロールに関与してきた。現在、烏山基地の三つのゲートのうち二つは米軍が管理しているが、韓米が共同管理する一つのゲートでは韓国軍の出入りコントロールシステムを活用し、韓国の公務員証でも身元確認が可能だった。

 だが米軍が韓国軍の出入りコントロール権を回収すると決めたことで、来月中旬以降はこれが不可能になる。在韓米軍の事情に詳しい関係者は「在韓米軍が、米軍と韓国軍に二元化された出入システムのせいで内乱特検の基地進入を把握できなかったと判断したようだ」と語った。

 SOFA合同委員会の米国側委員長を務めているデビッド・アイバーソン在韓米軍副司令官(空軍中将)は10月、特検による家宅捜索に抗議する書簡を韓国外交部(省に相当)に送り「今回の事件でSOFAが順守されなかった理由についての説明を要請する」とした。だがおよそ2カ月が経過した現在も、外交部は返信していないことが分かった。

 韓国軍の消息筋は「SOFA違反についての抗議にも回答がないことから、在韓米軍側がセキュリティー強化のために行動に出たものとみられる」と語った。内乱特検チームは、烏山基地内部のMCRC家宅捜索について「出入りの承認権を持つ韓国軍の事前承認を得て出入証をもらい、韓国軍の統制・引率を受けた」とし、SOFA違反の事実はないという立場を取ってきた。

ヤン・ジホ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲イラスト=UTOIMAGE

right

あわせて読みたい