-検察の「補完捜査権」まで廃止されるべきなのか。
「補完捜査権問題は副次的だ。 検察庁を廃止し捜査・起訴を分離するという論理の中に含まれるためだ。もし、検察の補完捜査権をなくしたら、どんな結果が生じるだろうか。既に警察が一次捜査の終結権を持っており、不正腐敗も少なくなく、複雑な事件は捜査さえストップした。警察が捜査が不十分にしかなされていない事件を強引に検察に送致した場合、検察が補完捜査を要求したとしても強制力はないので、警察は無視する。その被害はそのまま国民に降りかかる」
-与党は一貫して「検察改革」を叫んでいる。
「検察事件の98%は問題がないが、政権の不正をもみ消したり、政敵除去のために『ほこりたたき式捜査』をする少数2%の政治検事が問題だ。いわゆる『政治検事』問題は解決されなければならない。それを正すためには、検事の政治的中立を保障する仕組みが必要だ。
ところが、民主党の検察改革は正反対に進んでいる。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、政権の言うことを聞かない検察の捜査権をほとんど警察に移管した。今回は検察に残された一部捜査権までもすべて行政安全部に移管しようとしている。政治的に言うことを聞かなければ罰を与える制度をつくり、検察を権力の統制下に置こうという狙いだ。政治報復的な制度は時代に逆行する」
-今回の検察改革はどんな結果をもたらすか。
「改革は制度の問題を突き止め、それを改善することだ。しかし、民主党は何が問題で、どのように改善するのかを示すことができない。『検察に弾圧された』と感情に訴えただけだった。検察の捜査・基礎起訴権を分離したからといって、捜査の効率性が高まることもなく、犯罪被害者が保護されることもない。むしろ恣意(しい)的な捜査が増え、効率は低下するだろう。庶民が犯罪から保護されずに放置されることになるのは明らかだ。こんな改革は国民のためのものなのか、政権延命のためのものなのか尋ねたい」
-予想通りに公聴会は答えが決まっていたのか。公聴会に出席した感想は。
「国家刑事司法体系を根本的に変化させる検察改革は、深みのある議論が必要だ。専門家の意見を聞く公聴会なら、期待される効果と副作用を多角的に検討し、補完策まで議論すべきだった。ところが、公聴会で与野党議員はむしろ専門家たちの言葉を阻もうとする雰囲気だった。大声を上げて「はい」「いいえ」だけで答えろと強要した。質問時間の半分以上を自身の演説に使い、こちらが答えようとすすと「時間がない、答えるな」と言った。相手を威圧しようとする態度では、結局国民の説得にも失敗する。相手を怒鳴りつける公聴会文化は変わらなければならない」
パク・ヘヨン記者