旧統一教会元幹部、特別検察官に「共に民主党議員2人に数千万ウォン渡した」と供述していた

旧統一教会元幹部、特別検察官に「共に民主党議員2人に数千万ウォン渡した」と供述していた

 2022年に保守系の「国民の力」の市・道党および党員協議会運営委員長(党協委員長)20人に対し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の資金1億4400万ウォン(現在のレートで約1517万円。以下同じ)を違法に提供した疑惑などで起訴された、同連合の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)元世界宣教本部長。この尹鍈鎬被告が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人の各種疑惑を捜査している閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)チームの取り調べで「(進歩〈革新〉系で現与党の)共に民主党の議員たちにも数千万ウォン(1000万ウォン=約105万円)を渡した」と供述していたことが5日に伝えられた。

【写真】ソウル中央地裁に入る尹鍈鎬・元世界平和統一家庭連合世界宣教本部長

 法曹界によると尹鍈鎬被告は今年8月、閔中基特検チームと会った際、「文在寅(ムン・ジェイン)政権=2017-22年=時代に民主党議員2人に数千万ウォンを渡した」「この人々は京畿道加平郡にある教会の天正宮を訪れ、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と会っていった」という趣旨の供述を行ったことが分かった。尹鍈鎬被告は、この2人のうち、現役の第22代国会議員である1人には現金数千万ウォンと高額な時計、現在は議員ではないもう1人には現金のみを渡した―と供述したという。当該内容が特検の捜査報告書に盛り込まれたかどうかに関する本紙の質問に対し、特検側は「確認はできない」と回答した。

 尹鍈鎬被告は5日の法廷でも、同様の趣旨の供述をした。尹鍈鎬被告はこの日、ソウル中央地裁刑事27部の審理で開かれた自身の裁判(請託禁止法違反等容疑事件)で「2017年から21年までは、国民の力よりも民主党に近かった」「(文在寅政権時代の民主党議員)2人は、韓鶴子総裁にも会いに来た。(2人への)支援についての部分も捜査のときに話した。現職の閣僚級など4人と国会議員のリストを特検に話した」「(旧統一教会の支援が)一方(=国民の力)に偏っていたわけではない。文在寅政権時代はかなり縁があり、秘書室長とも会ったことがある」と語った。

 本紙が入手した閔中基特検の関連捜査報告書にも、尹鍈鎬被告の供述を裏付ける状況が含まれていた。報告書には、尹鍈鎬被告がA氏など文在寅政権時代の大統領府幹部2人と外交・安保分野の閣僚B氏、李在明(イ・ジェミョン)政権の現職閣僚級の人物C氏などとの「縁を作った」と記されている。

 閔中基特検は今年10月、教団資金1億4400万ウォンを2022年に国民の力の市道党および党協委員長20人に違法に提供した疑い(政治資金法違反)で韓鶴子捜査と鄭元周(チョン・ウォンジュ)元総裁秘書室長、尹鍈鎬・元世界宣教本部長などを起訴した。国民の力の権性東(クォン・ソンドン)議員も教会資金1億ウォン(約1053万円)を受け取った疑いで勾留起訴され、裁判を受けている。

 しかし特検は、旧統一教会の資金が民主党所属の政治家に渡った疑惑が浮上したことに関しては、捜査を行わなかった。教団側の支持が確認されておらず、組織的違法行為だとはみなし難いというのが特検側の立場だが、法曹界からは「野党を狙った選択的起訴」だという批判の声が上がっている。

ユ・フィゴン記者

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