8日に投開票が行われた衆議院議員選挙で「強い日本」を掲げて圧勝した高市早苗首相はかつての安倍晋三内閣以上に強硬な右よりの政策に突き進みそうだ。選挙前の時点で連立与党(自民党と日本維新の会)の衆議院での議席数は与党を支持する会派を合わせても過半数(465議席中233議席)ギリギリで、また参議院では少数与党の状態が今も続いている。野党の協力なしには法案を成立できない状態だったのだ。ところが連立与党が今回の総選挙で3分の2(310議席)以上を確保したため、参議院が反対しても衆議院での再可決で法案の成立が可能になった。
■「強硬な右よりの政策」が今後も進む見通し
高市首相率いる自民党は圧倒的な議席数を確保したことから年内には海外への武器輸出、国家情報局新設、スパイ防止法制定、外国人規制強化など右よりの強硬な政策を全て推し進めそうだ。安全保障政策の根幹となる「安保3文書」に「太平洋での防衛力強化」を明記する方針も進めている。
自民党はこの機会に憲法を改正し、安倍元首相が熱望していた「自衛隊の存在根拠」と「緊急事態条項新設」も推進するとみられる。自民党は「戦争放棄」を掲げる日本の平和憲法の基本は維持するとしながらも、自衛隊を憲法に明記する方針は変えていない。これは「戦争ができる普通の国」に生まれ変わることを意味する。現在自衛隊は憲法にその存在根拠がない組織であるため、違憲との指摘を常に受けてきた。
高市首相が安倍元首相以上に強硬になると予想される理由は「反対勢力」がなくなったからだ。安倍政権で連立与党を組んだ公明党は憲法改正や安全保障政策強化などに何度も反対してきた。これに対して高市政権で連立を組む日本維新の会は自民党に劣らず保守的な考えが強い。さらに野党の国民民主党や参政党も右派だ。高市首相にとっては政策を遮るものがない状況だ。
ただし連立与党が直ちに憲法改正に取り組むことはなさそうだ。憲法改正には衆議院と参議院で3分の2以上の賛成が必要になるためで、次の参議院選挙は2028年に予定されている。日本メディアも「安保3文書改訂や防衛費増額など安全保障の強化は年内に直ちに進められるだろう。憲法改正は年内には難しいが、以前よりも議論が活発になるとみられる」などと報じている。