同じ年に韓国はWTO(世界貿易機関)の前身であるGATT(関税と貿易に関する一般協定)に加盟した。浦項製鉄の起工式も同年行われた。米国中心の産業・貿易システムに組み込まれたのだ。1967年生まれが大学に入った時には民主化が実現し、オリンピックが開催され、海外旅行も自由化された。経済危機も経験したが、就職は今ほど難しくはなく、住宅価格も今のように高くはなかった。今多くの国民が「米国」を金で買おうとしている。韓国史は苦難の連続だったが、歴史的に見てこれほど幸福な世代はないだろう。
振り返れば小説のようだ。休戦ラインを挟んで光と闇が分かれる韓半島の夜の衛星写真から分かるように、同じ世代でもその幸福と不幸はあまりに際立つ。その原因も韓半島を分かつ光と闇同様に誰が見てもはっきりしている。北朝鮮は中国とロシアの側に立ち、韓国は米国と日本の側に立ったからだ。北朝鮮は収奪的な制度を、韓国は包容的な制度を選択したからでもある。扇動に揺らぐことなく正しいか間違いかをしっかりと判断し、国を引っ張ってきた賢明な指導者を持てたことも韓国にとっては幸運だった。もちろん大きな犠牲はあったが、その犠牲を癒やし統合を目指したのも韓国の指導者たちだった。これに対して北朝鮮の不幸は全ての面で指導者が正反対だったからだ。
中国の習近平国家主席が先日の韓中首脳会談で李在明(イ・ジェミョン)大統領に「歴史の正しい側に立つべきだ」と述べた。言葉だけなら間違いなく正しいが、しかしこれは中国の主席が口にすべき訓戒ではないだろう。
6・25戦争のことまでは言うまい。1970年に中国はいわゆる「周4原則」を条件とし韓国経済を世界経済から淘汰(とうた)させようとしたが、その韓国を救ったのが米国だった。改革解放以降、中国が韓国の経済と企業に新たな突破口を提供したのは事実だ。しかし中国が韓国の技術を奪うとそれも途絶えた。多くの産業分野で中国は韓国を飲み込もうとしている。米国の対中制裁がなければ韓国の半導体は今の栄光を享受できなかったはずだ。何よりも米国と中国が異なる点は、中国が共存を目指さなかったことにある。それが中国のシステムの本質だ。経済論理ではなく中国共産党の政策で大きく変動する株式市場も全く同じだ。韓国人は米国株を買うように中国株を買おうとはしない。たとえ成長しても中国は市場の論理に基づく革新のシステムが作動しないからだ。
韓国の繁栄は米国側に立ちながらその経済論理と革新システムを学んだからこそ可能になった。もし韓国も北朝鮮と同じく中国側に立っていれば、夜の韓半島の衛星写真は全体が闇に包まれていただろう。中国がいつから「歴史の正しい側」に立ったか知らないが、なぜ韓国にあのような訓戒ができるのか全く理解できない。
鮮于鉦(ソンウ・ジョン)記者