スケート場のバイト青年・木原龍一が起こした「奇跡の逆転劇」 ミラノ冬季五輪フィギュアスケートペア

日本フィギュア史上初 ペアで金メダル
木原龍一 ソチ・平昌冬季五輪時はフリーに進めず
スケート場でバイト…三浦璃来のパートナーに
完璧なフリー演技で5位→1位

 日本の木原龍一(33)は演技を終えるとリンクに座り込んで泣いた。冬季五輪でメダルを取るという夢に破れ、出身地のスケート場でアルバイトをしていたころのことから、前日のショートプログラム(SP)で自身のミスにより大幅に減点されたことまで、さまざまな思いがよぎっている様子だった。感情を整理できずに涙を流す木原を、パートナーの三浦璃来(24)がいたわった。今月17日(韓国時間)に行われたミラノ・コルティナ冬季五輪フィギュアスケート・ペアのフリー。木原と三浦は完璧な演技でフリー世界歴代最高得点となる158.13点をマークし、ショートプログラム(SP)5位の劣勢をひっくり返して金メダルを手にした。

【写真】フリーの演技を終えて座り込む車俊煥

 木原はジュニア時代、男子シングルで思い通りの成績が残せず、「五輪出場の可能性がある」という日本スケート連盟の勧めにより、2013年にペアに転向した。2014年ソチ冬季五輪に出場したもののフリーに進めず、別のパートナーと組んだ4年後の平昌冬季五輪でもフリーの壁は越えられなかった。

 2019年、木原は新しいパートナーを見つけることができず、選手引退の岐路に立たされた。生計のために出身地・愛知県の名古屋市内にあるスケート場でアルバイトを始めた。週3日、一日8時間ずつ、入場者にスケート靴を貸し出したり、メンテナンスをしたりする仕事だった。営業が終わると、他に誰もいないスケート場で1人になって滑り、物足りなさを埋めた。

 ところが、チャンスは突然訪れた。日本スケート連盟が新人選手を選抜する場でスタッフをしていた木原にブルーノ・マルコット・コーチ=カナダ=が注目し、全日本選手権ジュニアクラス2連覇を達成した「ペアの神童」三浦の新しいパートナーになったのだ。木原と三浦は9歳の年齢差と30センチメートルにも達する身長差を乗り越え、爆発的な相乗効果を生み出した。 2022年北京冬季五輪で日本の団体戦銀メダルに貢献した2人は、その4年後に夢にまで見た五輪の金メダルを首にかけた。日本代表選手が冬季五輪ペアで優勝したのは今回が初めてだ。木原は「璃来がいなければ成し遂げられなかったこと」とパートナーのおかげであることを強調した。

 一方、韓国代表の車俊煥(チャ・ジュンファン、24)は14日の男子シングルで最終4位になった。これは韓国のフィギュア男子史上、五輪における最高成績で、銅メダルを取った佐藤駿=日本=との差はわずか0.98点に過ぎなかった。車俊煥は22日午前4時、同五輪の最後を飾るガーラショーに招待され、再びミラノのリンクに立つ。女子シングルの李海仁(イ・ヘイン、20)と辛智娥(シン・ジア、17)はSPでそれぞれ9位と14位となり、20日早朝に行われるフリーに進んだ。

ミラノ=金東炫(キム・ドンヒョン)記者

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