ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)が19日に判決の言い渡しを行う尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀者容疑事件の争点は、大きく分けて三つある。韓国刑法上の内乱罪の構成要件である「国憲紊乱(びんらん)目的」と「暴動」があったかどうか、非常戒厳直後の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の内乱捜査は適法だったか、などだ。
■国憲紊乱目的・暴動はあったか
最大の争点は、戒厳宣布の目的だ。趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)は今回の事件を「権力欲から始まった親衛クーデター」と決め付けた。尹・前大統領と金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相などが2023年下半期から軍の人事を通して親政体制を構築し、野党代表など主な政治家の逮捕を事前に謀議したというのだ。特検は、こうした状況を収めた「ノ・サンウォン・メモ」を中心的な証拠として提示しつつ「戒厳の実体は長期政権のための憲法破壊」と主張した。
逆に尹・前大統領側は、特検が提示した手帳やメモなどについて「検察の想像力が加味された小説」だとした。尹・前大統領側は最近、裁判部に最後の意見書を提出し「親衛クーデターは内乱罪の法的要件とは無関係の政治的枠組み」だと主張した。また、1980年の5・17新軍部クーデターとの差異を浮き彫りにしつつ「5・17当時は『K工作計画』など事前の政権樹立シナリオが緻密に準備されており、国家保衛非常対策委員会(国保委)設置など新たな統治構造が稼働したのに対し、12・3戒厳は国会を解散させたり司法権を掌握したりするための政治的・軍事的計画はなかった」と述べた。
内乱罪が認められるには、国憲紊乱目的のほかに「暴動」という実際行為も伴っていなければならない。特検は、戒厳宣布直後に軍・警が国会を封鎖し、特殊戦司令部が本会議場入りを試みて議員たちを引っ張り出そうとしたこと自体が暴動だと見なした。中央選挙管理委員会の占拠と政治家逮捕の試みも暴動の一環だとした。これに関連して尹・前大統領側は「実弾の支給もなく、国会議員の本会議場入りを実際に妨げることもなかった」と反論した。内乱罪が成立するに足る暴動・脅迫はなかった―という主張だ。