ソウル中央地裁刑事36部(裁判長:李政燁〈イ・ジョンヨプ〉部長判事)で23日、趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官(特検)が尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領と金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官などを一般利敵容疑で起訴した外患事件の一審の裁判が開かれた。この裁判は、尹・前大統領などが12・3非常戒厳宣布の名目をつくるために、2024年10月から11月にかけておよそ10回、北朝鮮に無人機を送り込んで北朝鮮の軍事的挑発を誘発しようとした―とされる容疑を取り扱っている。
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韓国法曹界からは、2月19日にソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)が下した内乱首謀者事件の一審判決結果が一般利敵事件において変数になることもあり得る、という見方が出ている。刑事25部は、尹・前大統領に対して内乱容疑の成立を認めて無期懲役を言い渡しつつも「『尹・前大統領が軍事的事態など非常戒厳宣布の条件を造成しようとしていたが、そのような条件が造成されないことから非常戒厳を宣布することにした』という特検の主張は認め難い」と判示した。その上で「非常戒厳で取られた各種の措置を見ると、長期間にわたり決意して非常戒厳を宣布したとみるには、あまりに準備がおろそか」と述べた。この判断は、「平壌無人機潜入」について特検の主張するように戒厳の名目づくり用だったと見なすのは困難、という意味で解釈され得るもので、一般利敵容疑を認めるかどうかにおいても変数になり得るのだ。
その一方で韓国法曹界からは、ドローン作戦や軍事的状況などを含む「呂寅兄メモ」が一般利敵事件でも重要な争点になるだろう、との見方が出ている。特検は、呂・前防諜司令官が2024年10月から11月にかけて「不安定な状況をつくったり、つくり出された機会を捉えたりするべき。最終状態は低強度ドローン紛争の日常化」「敵の行動が先。戦時または強力で統制不可の状況がもたされるべき」「攻勢的措置+自衛権的反撃態勢」などと記したメモを根拠に「尹・前大統領などが戒厳宣布の条件を造成するため、無人機作戦を敢行した」と主張している。先に内乱事件の裁判部も、この呂寅兄メモを証拠として認めた。韓国法曹界のある人物は「一般利敵容疑は、無人機潜入が戒厳準備の一環だったかどうかとは無関係に、韓国の軍事上の利益を害したり北朝鮮に軍事上の利益を与えたりしたりした事実だけでも有罪が認められ得る」と語った。戒厳宣布とは別個に判断されることもあり得るのだ。
なお趙垠奭特検は、刑事25部が尹・前大統領の戒厳決心の時期を12月1日とみて、それよりかなり前に作成されたと推定される「ノ・サンウォン元情報司令官の手帳」の信ぴょう性を認めなかったことを問題視し、内乱首謀者容疑事件の一審判決に対し控訴するという。
オ・ユジン記者、イ・ミンギョン記者