徴兵を終えた台湾の若者は同紙のインタビューに「4カ月の基礎訓練中にやったことは雑草の草むしり、タイヤの移動、落ち葉掃除だった。射撃の訓練も受けたが、それらの訓練はほとんどが無意味だった」「中国が香港を飲み込んだのを見て入隊しようと思ったが、軍の人から『時間を無駄にせず肉をつけろ』と叱られた」と答えた。別のある若者は「1カ月にわたり4時間ごとにマクドナルドのハンバーガーを食べて太り、肥満を理由に徴兵が免除された」と述べたという。
予備役らも「訓練中はハリウッドの戦争映画を見るとか、読書や絵描きで時間を過ごした」と語る。台湾の監査院と国防部の内部文書には「予備役の訓練場は『時間をつぶそう』という雰囲気が支配的だ」「軍による管理のずさんさと不正で軍に入隊しようとする若者たちの士気が落ちている」といった指摘も記載されている。台湾軍のエリートたちからは「世の中に4カ月でマスターできる専門的な技術や知識などない」「中国の軍事力は台湾の13倍に達するが、台湾の男性は戦う意志さえ失った」など懸念の声が相次いでいるという。
ウォールストリート・ジャーナルによると、台湾軍兵士らは自分たちを「いちご兵士」と呼んでいるという。経済的な豊かさと親の過保護の中で育ち、わずかな不便さや困難ですぐに傷つく若い世代を意味する「台湾のいちご世代」から派生した言葉だ。ウォールストリート・ジャーナルは台湾軍が「いちご軍」となった原因について「米国など国際社会が守ってくれるのだから、まさか中国は攻めてこないだろう」「戦争が起これば米国が支援してくれるはずだ」などの考えが定着しているためと指摘している。