「中国に対抗して戦う」という考えを持つ国民もさほど強い意志を持っているわけではない。台湾の日刊紙・ETトゥデーが今年7月中旬に20歳以上の2640人を対象に行った世論調査によると、中国と戦争が起こった場合「戦う」あるいは「家族の参戦を止めない」との回答は40.9%にとどまり、49.1%は「戦わない」と答えた。
台湾は中国の野望が差し迫った後になって台湾軍の立て直しに乗り出した。台湾国防部は先月から兵士の訓練を大幅に強化し、新兵全員を戦闘部隊に送り実戦訓練を受けさせる方針に転換した。また中国軍の上陸作戦を阻止するミサイルや空母などの軍備見直しに87億ドル(約9900億円)の特別予算を計上した。2022年度の防衛費は4%引き上げ、総額で151億ドル(約1兆7200億円)の過去最高に達する見通しだ。台湾に武器を売るだけだった米国は先日から台湾軍の訓練を行うため特殊部隊や海兵隊を現地に派遣している。
このような状況で米国のシンクタンク・新アメリカ安全保障センター(CNAS)は26日(現地時間)、中国が南シナ海のプラタス諸島(東沙諸島)を侵攻するシナリオに基づいたシミュレーション結果に関する報告書を公表した。CNASは「台湾はプラタス諸島を実効支配しているが、中国軍がこの島に駐留する500人の台湾軍を抑留して軍事基地を建設した場合、米国には中国軍を追い出し島を台湾に奪還する明確な手段がない」と指摘した。米国の軍事行動は戦争につながる恐れもあるため、米国も台湾もこの問題で中国と衝突することは望んでいないというのだ。