就職活動中のKさんは今年30歳だ.大学時代に肉体労働で授業料を稼ぐため、2年間休学した影響で就職活動も遅れた。大学を卒業後は2年間アルバイトをして、数多くの就職試験に挑戦したが、いまだに職場は見つかっていない。

 先月の韓国の青年失業率は11.2%となり、4月としては過去最高を記録した。青年層の体感失業率は23.6%にもなる。収入が少ないアルバイトでもよいから働きたいが、それも見つからないという人も含めると、青年の4人の1人が事実上の失業者ということになる。

 今年から生産年齢人口が減り始めたことを根拠として、青年の失業問題も遠からず解決されるという「バラ色の期待」も聞かれる。楽観論を主張する人は最近まで青年の就職難を経験していた日本を例に挙げる。しかし、韓国の状況は日本とは異なる。日本は50-59歳の就業率が高く、彼らがリタイヤする際に青年層が就職するチャンスが多い。また、日本は中小企業の賃金が大企業の75-83%で好条件の職場も多いが、韓国では中小企業の勤労者の賃金が大企業の62%にすぎず、若者が働きたいと思う職場が少ない。

 世界各国の事例を見ると、生産年齢人口の減少初期は失業率が高いという傾向がある。低成長に伴う需要低迷と人口減少が重なるためだ。韓国も似たような状況と言える。その上、韓国では生産年齢人口の減少が青年の失業解消につながる時期が2025年以降になるとみられている。今後7-9年は青年の就職氷河期が続くことになる。最も問題となるのが現在25-34歳の青年だ。彼らは数年以内に職場が見つからない場合、年齢が高くても経歴がないという理由で雇用市場から無視され、「生涯ニート」に陥る懸念がある。

 こうした「生涯ニート」の恐怖に直面している青年は最大で141万2000人と推定される。25-34歳の青年のうち、失業者は34万4000人だった。また、就職活動をしなかった人が19万7000人、就職準備に集中した人が32万3000人いた。さらに、日雇い労働者が多数を占める「週36時間未満の就業者」も54万8000人に達する。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は青年の雇用創出を公約とし、「雇用割当制」を掲げた。民間企業に従業員の3-5%の割合で青年を採用するよう求め、それに違反した場合には分担金を徴収する構想だ。しかし、企業からは既に「青年の雇用を無理につくり出すことはできないから、分担金拠出を選択する」という声も聞かれ、政策効果が得られるかどうか心配される。

 若者が職場で経験と技術を積み上げる機会を逃せば、個人の不幸というばかりか、韓国社会の将来的な人的資源を失うことになる。青年の雇用を創出するためには、社会的な大妥協といったレベルの決断と譲歩が必要かもしれない。我々に残された時間は少ない。

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