7月26日に放送されたKBSのメディア批評番組「ジャーナリズムトークショーJ」は第100回の特集でした。=写真=レギュラーのパネリスト、カン・ユジョン、チェ・ウク、イム・ジャウンの各氏が「メディアの答えを探る」という趣旨でインタビューを行いました。ジャーナリストの役割を果たしているという人気ユーチューバー、最近光州で労災で死亡した労働者の遺族、セウォル号沈没事故のドキュメンタリー映画監督らが登場しました。

 意義深い内容ではあったが、やや違和感を覚えました。最近数カ月にわたり、この番組で最大の関心事だった「検察・メディア癒着」がこの日の放送で取り上げられなかったからです。「韓東勲検事長とチャンネルAの元記者の共謀が確認された」という誤報を出し、「KBS版の検察・メディア癒着」として論議を呼んだ自社報道については一言も触れなかった格好です。

 司会のチェ・ウク氏はそんな矛盾を意識したように、水曜日の収録後に行ったライブ放送で「KBSの検察・メディアの癒着報道と謝罪放送に関する批評を待っている方が多いが、一度も避けようとしたことはありません。また、機が熟していなかったり、確認されていなかったりして、やや時間が遅れたことはあるが、避けたことはなかったと感じています」と述べた。

 しかし、チャンネルA版の「検察・メディア癒着疑惑」は連日批判し、「どんな真実が明らかになるか引き続き注視していく」と言っていた同番組がKBS自らが認めて謝罪した明らかな誤報について、「機が熟していない」と後退することには納得がいきません。時間がなかったという弁明も苦しいでしょう。報道があったのは収録4日前の18日。KBSニュース9はその翌日に誤報を認めて番組内で謝罪しました。尹美香(ユン・ミヒャン)問題など話題になったニュースについては収録前日に起きたことまで突っ込んでいたのと対照的です。

 主な視聴者層である「政府・与党支持者」の顔色うかがいがまた繰り返されているのではないでしょうか。実際に収録が行われた22日のユーチューブでのライブ放送では誤報に対するKBSの謝罪にこんなコメントが付きました。「KBSが韓東勲検事長を恐れて尻尾を下ろす姿に恥ずかしい思いがする」「韓東勲にひれ伏して謝罪するのが不満だ」--。

 「トークショーJ」は一部視聴者から「ある自殺は加害だった」とするKBSのニュースキャスターのコメントについて取り上げてほしいという要求も受けているといいます。今月16日にKBSニュース9のキャスター、イ・ソジョン氏がチョン・セランの小説「視線から」の一節を紹介し、故・朴元淳(パク・ウォンスン)市長の支持者の反発で青瓦台への請願まで登場しました。放送100回を迎え、2週間放送を休止するという同番組が2週間後に「KBS版検察・メディア癒着」とニュースキャスターのコメントをどう扱うかに期待しています。

ソン・ホヨン記者

◆世界報道自由度ランキング韓国42位、米国45位、日本は?

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