朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長によるわいせつ行為の被害者が李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表に「いったい何について謝罪するというのか」という公開書簡を送った。ソウル市長補選は朴前市長がわいせつ行為を理由に命を絶った結果行われるものだ。被害者に謝罪するためには、その点をまず認めなければならない。ところが、民主党は一度も認めたことはない。知らんぷりしている。2日にも党内に倫理申告センター、性暴力申告センターを設置するというとんでもないことを言った。そして、口だけで「謝罪する」と言っているのだから、「いったい何を謝罪するというのか」という言葉が出るのは当然だ。

 民主党がこういう対応を取れるのは警察と検察が朴前市長に関する捜査をもみ消しているからだ。被害者が告訴してから4カ月たっても捜査結果は何も示されていない。警察は棄却されることが明らかな捜索令状を請求し、捜査しているふりをした。警察は「ソウル市庁6階の人々」と呼ばれる朴前市長の側近がわいせつ行為を黙認、ほう助したという告発を受け、捜査班を40人余りに増員した。調べを進めると言って、しばらく大騒ぎした。しかし、裁判所が朴前市長の携帯電話を封印するよう決定して以降、数カ月にわたり捜査に手をこまぬいている状態だ。証拠が不足しており、真相把握ができないということだった。被害者は「4年以上、20人余りに苦しみを訴えたが黙殺された」「(朴前市長が贈った)下着と携帯メールも見せた」とそれまでの被害内容や「6階の人々」による隠蔽の事実を生々しく証言した。朴前市長の側近は「あなたが美人だからだろう」「女性団体に巻き込まれるな」などと被害者に告げていたという。これより明らかな証拠はどこにあろうか。やはり警察は捜査するふりをしているにすぎない。

 朴前市長が告訴されたという事実が漏えいしたことを巡る捜査は検察が担当している。被害者は当初、朴前市長をソウル中央地検に告訴しようとしたが、中央地検が納得できない理由で面談をキャンセルした。「朴元淳告訴」を文在寅(ムン・ジェイン)大統領の手足である李盛潤(イ・ソンユン)地検長らが最初に知ったことになる。そして、どうしたことか、朴前市長が告訴事実を知り、命を絶った。検察の誰かが性犯罪被害者の告訴を加害者に知らせたことになる。この過程に青瓦台が介入していた可能性が高い。全て深刻な犯罪だ。

 告発内容の捜査は8月末、一線の検察庁に割り当てられた。その後2カ月たっても何の音沙汰もない。検察は来年4月のソウル市長、釜山市長補選が終わるまで事件を握りつぶすつもりだ。それで民主党が再び勝利すれば、犯罪をもみ消した「功労」で昇進などの恩恵を施すはずだ。わいせつ事件の共犯たちだ。

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