▲10日午後、ソウル市鍾路区の書店「教保文庫」で、ジョー・バイデン米国大統領当選者の自叙伝などバイデン関連の書籍が並べられている様子。/写真=聯合ニュース

 米国大統領選で民主党のジョー・バイデン候補が当選した後、4日たっても北朝鮮が特段反応を示さない中、挑発の懸念が高まっている。こうした状況で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が労働党統一戦線部や国家保衛省の対南工作部門に対し、保守系最大野党「国民の力」に所属する太永浩(テ・ヨンホ)議員(元駐英北朝鮮公使)の韓国国内における政治活動を挙げて「太永浩が暴れている間、何をしていたのか」と叱責(しっせき)したことが10日までに分かった。

 北朝鮮内部の事情に詳しい消息筋は「(金正恩が)対南工作部門の幹部らに向けて、太永浩議員の韓国国内での政治活動や相次ぐ海外駐在外交官の亡命に憤りをあらわにし、『決死隊』を組織してでもこれらの人物の政治行脚を粉砕しなければならない、と指示を下した」と伝えた。また、上級幹部らを対象にした講演で「革命が試練に直面し、敵の攻勢が深刻になったら、これにおびえる背信者らが生じてくるもの」だとして、太永浩やチョ・ソンギルなど亡命外交官らを非難したと伝えられている。さらに金委員長は、内部引き締め強化策の一環として刑法改正も推進しているという。

 朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』は10日、年末まで続く「80日戦闘」を成功裏に終えるためには全ての幹部が「攻撃精神」で武装しなければならない、と主張した。国際社会では、北朝鮮の挑発の可能性を巡る言及が続いている。マーク・フィッツパトリック元米国務次官補代理はこの日、米国のラジオ放送「自由アジア放送」に対し「北朝鮮は、核問題が後回しにされたと考えて挑発に乗り出すのではと懸念される」と語った。

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