尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の首がはねられた風刺漫画で物議を醸した時事漫画家、朴在東(パク・チェドン)画伯が今度は「首を縫い付けた尹錫悦」を描いた。ハンギョレ新聞で風刺漫画を描いてきた朴氏は11月26日付京畿新聞1面に掲載された「朴在東の手のひらアート」と題する風刺漫画コーナーに最近対立している秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官と尹錫悦検察総長を登場させ、尹総長の首がはねられた様子を描いたことから論議を呼んだ。

 2日午後、京畿新聞のウェブサイトに掲載された風刺漫画にも秋長官と尹総長が登場した。前日にソウル行政裁が尹総長を職務から排除した秋長官の職務停止命令について、「検察の独立性と政治的中立性を没却するものだ」として、処分の効力を停止した状況を描写したものだ。

 風刺漫画では、秋長官は右手にナイフを持ち、左手で刃の部分を触っている。また、誰かが両手で尹総長の首の部分を糸で縫い付けており、「くっついたにはくっついたがどれだけ持つかはわからないなあ」「どうか用心してください」というせりふが付いている。

 朴画伯は「尹錫悦検察総長が秋美愛法務部長官の職務排除決定に対する裁判所の執行停止命令の効力中断決定で再び出勤した。すぐに法務部懲戒委員会が控えている」と書いた。

 尹総長は前日の夕方、裁判所が職務執行停止取り消しの申し立てを認める決定を下した約40分後に大検察庁の庁舎に出勤した。法務部は裁判所の決定を受け、当初2日に予定していた尹総長に対する検事懲戒委員会を4日に延期した。秋長官の代わりに懲戒委の委員長を務める予定だった高基栄(コ・ギヨン)法務部次官が辞表を出したことから、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日、後任にリベラル傾向の法曹界関係者の組織である「ウリ法研究会」出身の李容九弁護士(56)を任命した。これは尹総長に対する懲戒委員会を強行するという意味と受け止められている。朴画伯の風刺漫画はそうした状況を反映したものと言える。

 それに先立ち、朴画伯は11月26日付京畿新聞1面に首をはねられた尹総長の姿を描き論議を呼んだ。漫画は国政監査で尹総長が「検察総長は法務部長官の部下ではない」と発言したことにちなみ、「私はあなたの部下ではない」と話す尹総長に対し、腕組みしている秋長官が「望み通りに」と話す様子が描かれている。

 この風刺漫画がソーシャルメディアで論議を呼ぶと、陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大教授が朴画伯について、「セクハラも検察のせいなのだろう」と書いた。朴画伯が2018年、結婚式の司会を依頼に来た後輩の女性漫画家に対しセクハラに及んだことが暴露されたことを皮肉った格好だ。

 朴画伯は暴露を受けた当時、セクハラの事実を認めて公開謝罪したが、その後「虚偽事実が含まれている」として、セクハラ疑惑を報じたメディアを相手取り、訂正報道を求める訴訟を起こした。しかし、裁判では一、二審でいずれも敗訴した。

 騒動が拡大すると、京畿新聞は1日付社説で、「『首が切られる』という表現は我々の周辺でよく耳にする『職責から追い出される』という言葉の風刺的表現だ。朴画伯の風刺漫画はそうしたほほえましい表現を形象化したにすぎない」と書いた。その上で、朴画伯がセクハラの前歴について、各メディアが攻撃していることについては、「正しいやり方ではない」と批判。「風刺に対する理解度が高いほど文化国民だ」とも主張した。

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