朴槿恵(パク・クンヘ)政権時代に法務次官を務めていた金学義(キム・ハクウィ)氏に対する違法な出国禁止措置疑惑を巡り、公捜処(高位公職者犯罪捜査処)が同事件を検察へ再度移管すると決めたが、法務部(省に相当)は水原地検捜査チームの中心人物について派遣延長を許さず、事実上捜査チームを解体させたことが12日までに確認された。

 法務部と検察などに対する本紙の取材を総合すると、法務部は12日、捜査チームに派遣されていた任世鎮(イム・セジン)水原地検平沢支部部長検事と、金勁穆(キム・ギョンムク)釜山地検検事に対する派遣延長要請および職務代理承認要請を全て拒否した。任部長検事は大検察庁(最高検に相当)が今年1月中旬、この事件を水原地検刑事3部(部長:李禎燮〈イ・ジョンソプ〉部長検事)に割り当てて捜査チームを新たに立ち上げた際に派遣された。水原地検所属で捜査チームの一員だった金勁穆検事は、先月の定期人事で釜山地検異動の発令が出た。捜査チームは任部長検事について派遣延長を、金検事について職務代理発令を要請したが、12日午後、法務部から全て「不可」の通知を受けたと伝えられている。

 任部長検事は出国禁止措置に関与した容疑で拘束令状が請求されていた車圭根(チャ・ギュグン)法務部出入国・外国人政策本部長を、金検事は出国禁止措置を実行したイ・ギュウォン検事をそれぞれ調べていた。ある法曹関係者は「捜査の中心人物の残留を妨げるのは、人事を通した捜査妨害」と批判した。

 これに先立ち12日午前、キム・ジンウク公捜処長は「捜査に専念できる現実的条件が整っていない」とし、同事件を再び検察に移管すると表明した。現職検事の不正疑惑なので直接捜査を優先的に検討したが、検事や捜査官の選抜に3-4週間以上かかる点を考慮した措置だ。

 事件は再び検察に戻ったが、派遣延長不承認決定に伴い、李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長などに対する残りの捜査にも大きな支障が生じることになった。李地検長は大検察庁反腐敗・強力部長を務めていた2019年6月、水原地検安養支部がイ・ギュウォン検事(当時は大検察庁過去史真相調査団所属)を虚偽出国禁止書類作成の容疑で捜査しようとすると、これを妨害した疑いが持たれている。李地検長は捜査チームの数度にわたる召喚に応じず、陳述書だけを提出した状態だった。李地検長に対する召喚および応じない場合の逮捕状請求の可能性まで取り上げられているが、捜査チームが縮小されたことで、これすら不透明になった。また車圭根本部長に対する令状再請求、4度の召喚取り調べを受けたイ・ギュウォン検事に対する拘束令状請求、車本部長の「上」に相当する朴相基(パク・サンギ)元法相およびキム・オス元次官などに対する取り調べ計画も変動は避けられなくなった。

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