韓国法務部が2019年3月23日未明、金学義(キム・ハクウィ)元法務次官に対する緊急出国禁止を決めた当時、大検察庁の過去史真相調査団が出入国当局に送った要請・承認書類に「虚偽」の事件番号、内部調査番号が記載されるなど事実上の「公文書ねつ造」が行われていたことが判明し、波紋を広げている。

 特に出国禁止翌日、当時の李盛潤(イ・ソンユン)大検察庁反腐敗強力部長(現ソウル中央地検長)はソウル東部地検の幹部に電話をかけ、決裁権者である東部地検長が知らぬ間に内部調査番号を付与したという事実を通告し、「東部地検が内部調査番号の付与を追認することにしてもらいたい」という趣旨の要求を行っていたことが10日までに分かった。しかし、東部地検はそれに応じなかった。

 本紙は金学義元次官の出国禁止について、国民権益委員会が提出した告発書類に相当する「公益申告書」(全106ページ)を入手した。それによると、当時大半が外部の人物で構成されていた大検察庁過去史真相調査団に派遣されていたイ・ギュウォン検事は金元次官が嫌疑なしで処理されたソウル中央地検の事件番号(2013年刑第65889)を記載した同検事名義の「緊急出国禁止要請書」で金元次官の出国を阻止した。数時間後、行政処理のために提出した「緊急出国禁止承認要請書」にはありもしないソウル東部地検の内部調査番号(2019年内査1号)を記載した。

 法律専門家は李盛潤部長が当時、東部地検にかけた「事後通告」の電話について、「イ・ギュウォン検事が犯した明確な違法の『口封じ』を行い、『公文書ねつ造隠蔽』を試みたものだ」と指摘した。現在ソウル中央地検長を務める李盛潤氏は本紙の取材に応じなかった。情報提供者は「法務、検察がいずれも関与しており、今後発足する高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が担当すべき事件だ」とも語った。

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