▲写真=NEWSIS

 洪楠基(ホン・ナムギ)首相職務代行が20日、国会対政府質問で「(モデルナ製新型コロナワクチンの)かなりの部分が今年上半期にはどうしてもあまり入ってこられない状況だ」「下半期にほとんど入ってくるよう計画されている」と述べた。モデルナ製ワクチンは本来、来月から今年合計2000万人分入ってくる予定だった。青瓦台は当時、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年末、モデルナの最高経営責任者(CEO)と電話で話した後、そう合意した」と明らかにしていた。ところが、洪首相職務代行は、文大統領の「合意」発表から、3カ月余り経った後、このワクチンの上半期の国内導入が事実上難しいと述べたものだ。洪首相職務代行は国内導入が遅れる理由については何の説明もしていない。

 これと関連、モデルナ製ワクチンは今年8月から国内に供給されるだろうという見方が出ている。防疫当局は15日、「韓国のA製薬会社が海外で承認されたワクチン生産関連契約締結を現在進行中だ」「8月から国内で大量生産される予定だ」と明らかにした。防疫当局は8月に導入されるワクチンの種類を明らかにしていないが、医療関係者の間ではモデルナの可能性があると見ている。

 ファイザーやモデルナのワクチン国内導入はますます難しくなっている様子だ。外交部の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官は同日、国会の外交統一委員会の緊急懸案質疑で、「韓米ワクチンスワップ」協力案を説明する際、「(米国と協議する過程で)米国も実はワクチンがそれほど十分な量ではないと説明した」と明らかにした。米国が集団免疫を形成した後は、韓国にワクチンを供給することを検討することも可能だが、「現段階では、(ワクチン供給は)そう簡単ではないという一次的な見解表明があった」ということだ。

 ファイザーやモデルナのワクチンはmRNA方式で製造されたものだ。予防効果が高く、安全性が検証されているとの評価がある。アストラゼネカ製ワクチンやヤンセン製ワクチンの血栓問題が浮上している中、ファイザーやモデルナのワクチンまで導入が遅れれば、政府のワクチン接種計画は支障を来さざるを得ない状況だ。欧州医薬品庁(EMA)傘下のファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は同日、「ヤンセン製ワクチンは血小板減少を伴う特異血栓の非常にまれな事例と関連がある可能性を発見した」と発表した。今月13日(現地時間)、米食品医薬品局(FDA)と米疾病対策センター(CDC)は米国国内におけるヤンセン製ワクチン接種の中止を勧告している。

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