北朝鮮が今月13日に公開した新型長距離巡航ミサイルは、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が今年1月の第8回労働党大会で開発を公言していた兵器だ。当時、金正恩委員長は「常用の弾頭威力が世界を圧倒する新型戦術ロケットや中長距離巡航ミサイルをはじめ先端核戦術兵器を次々と開発することで、頼もしい軍事技術的強勢をつかみ取る」と語っていた。これまで存在が知られていなかった長距離巡航ミサイルは、金正恩委員長の言及からわずか8カ月で実体を表した。

 金正恩委員長は当時の党大会で、巡航ミサイルだけでなく戦術核兵器、原子力潜水艦、極超音速兵器(滑空弾)、多弾頭・固体燃料大陸間弾道ミサイル(ICBM)、偵察衛星、新型無人機などの新兵器に大挙言及した。このうち戦術核兵器は、今年1月の軍事パレードで改良型KN23ミサイルを初公開し、2カ月後には試射に成功したことで現実化した。続いて長距離巡航ミサイルも試射に成功したのだ。他の新兵器も現在開発中か、間もなく現実化するだろうという懸念が浮上している。

■金正恩が言及した新兵器、どこまで来たか

 徐旭(ソ・ウク)国防相も14日、国会の対政府質問で、北朝鮮の長距離巡航ミサイルに関連して「北朝鮮の第8回党大会で決定された国防科学発展および武器体系開発5カ年計画の一部で、国防力を試験し、武力誇示する性格も一部あると考えている」「2000年代初めから北朝鮮のミサイル開発の動向を取り上げてきて、最近巡航ミサイル開発を始めたように思う」と答弁した。韓国政府の関係者は「多弾頭・固体燃料ICBM、原子力潜水艦などのアセット(軍事資産)を北朝鮮が公開する可能性も注視している」と語った。

 米国からは、北朝鮮の長距離巡航ミサイル試射は国連安全保障理事会の決議違反に該当し、米国と各同盟国がこの点をはっきりさせるべきだという主張が持ち上がった。米国カーネギー国際平和基金のアンキット・パンダ・スタントン・シニアフェロー(核政策プログラム)は「核能力のある巡航ミサイルも北朝鮮制裁違反だという解釈上の先例を米国や各同盟国が作るべき」と語った。北朝鮮が核弾頭の小型化を達成している場合、射程1500キロの長距離巡航ミサイルは、北朝鮮制裁の対象である「核の脅威」に該当するというわけだ。

 米国ミドルベリー国際問題研究所のジェフリー・ルイス研究員も「国連安保理の北朝鮮決議は弾道ミサイルだけを扱っている。弾道ミサイルが巡航ミサイルよりも脅威だからではなく、決議を設計した人々に金正恩のような想像力がなかったから」と記した。北朝鮮制裁決議を作った当時は弾道ミサイル発射が問題だったので、巡航ミサイルの問題を看過したまま弾道ミサイルだけを明示した、という意味だ。

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