▲大韓航空の乗務員たち。写真=大韓航空

 心臓に基礎疾患がある60代の韓国女性が航空機内で倒れたが、乗務員たちの迅速な対応で助かったことが分かった。

 60代女性のAさん(62)は5日、インターネット・コミュニティー・サイト「ボベ・ドリーム」に「素晴らしい大韓航空」というタイトルのスレッドを立てて、自身の体験をつづった。Aさんは今月初め、姉夫婦と一緒にベトナムを訪れ、5日午前帰国した。Aさんは「未明にホーチミンの空港に到着し、出国手続きをするのに2時間近く並んだ」「空港にいすなどがまったくなかった」と書いた。そして、「不整脈と高血圧で薬を服用しなければならないのに、水がなくて飲むことができなかった」「機内に入り、座席に就いてやっと(水をもらい)薬を飲むことができた」と説明した。

 Aさんは離陸してから1時間後、機内食を食べて目を閉じようとしたが、頭が痛くて全身の力が抜け、呼吸困難に陥った。隣の座席の夫を起こし、手足をマッサージしてもらったが効果がなく、立ち上がって後ろに行こうとした時に意識を失って倒れたという。すると、この様子を見ていた乗務員が駆け寄り、Aさんを横にした後、応急措置を取ったとのことだ。Aさんがしばらく後に意識を取り戻した時、機内には医療関係者の協力を求めるアナウンスが流れていたが、当時の乗客の中に医療関係者は一人もいなかったという。Aさんは「脈拍は遅くなり、体温も下がって意識がどんどん遠のいた」と書いた。

 この時、Aさんの夫が「妻には心臓病の基礎疾患がある」と言うと、パーサーとみられる乗務員がAさんの血圧と体温を確認し、血行が回復するよう下半身を動かした。その後も乗務員数人が飛行中ずっとAさんの手足をマッサージし、状態を観察したとのことだ。Aさんは「隣の座席にいた男性客2人が快く席を譲ってくれて、残りの飛行時間は横になって楽な姿勢でいられた」「旅客機から降りた後、仁川国際空港で地上職のスタッフが車いすまで用意して待っていてくれた」「地上に降りると血圧も正常に戻り、心臓もきちんと動くようになった」と書いた。

 Aさんは「まかり間違えば『62歳の女性が機内で死亡した』というニュースになるところだったが、こうして無事に戻ってこられてとてもうれしい」「私の看病をしてくれている時、その目や手の動きからは、決して『仕事だからやっている』という義務感ではなく、心から心配し、思いやってくれていることが感じられて、感動した」と感謝の意を表した。

チェ・ヘスン記者

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