▲スタジアムに入る大谷。写真=NEWSIS

 【NEWSIS】日本人の米大リーガー、大谷翔平(29)=ロサンゼルス・ドジャース=の多事多難な「ソウルの旅」が終わった。

 大谷は2024年シーズンの米大リーグ(MLB)公式開幕戦「ワールドツアー・ソウル・シリーズ」に出場するため、15日に来韓した。

 ソウル・シリーズは韓国で初めて開催される大リーグ公式戦の試合だ。ドジャースとサンディエゴ・パドレスは20日と21日にソウル高尺スカイドームで行われるソウル・シリーズで、2024年シーズンの公式戦開幕を迎えた。

 韓国で初めて行われる大リーグ公式戦は、大谷が出場するということでいっそう大きな関心が寄せられた。

 昨シーズンまでロサンゼルス・エンゼルスでプレーしていた大谷は昨年12月、ドジャースと10年・7億ドル(当時の為替レートで約1015億円)という超大型契約を結んで移籍した。ドジャースがシーズン初試合を高尺スカイドームで行うことになり、「ドジャース大谷」の公式戦初プレーを世界で最初に見るのは韓国のファンということになった。

 大谷はソウルに向けて出発する前、妻の姿を電撃公開して注目の的になった。

 大谷は先月、交流サイト(SNS)の自身のアカウントで結婚したことを告知したが、お相手の女性の名前などは公表しなかった。そうした中、今月15日に韓国に向かう飛行機の前で撮った写真をSNSにアップすることで、自身の妻が元実業団バスケットボール選手の田中真美子さんであることを自然な形で公表した。

 今月16日の公式記者会見では、妻に関する質問が出ると照れくさそうに笑いながらも、「(妻と)このように一緒に海外に出るのは初めてなので、良い思い出になりそうだ」とアツアツぶりを見せた。

 スーパースター・大谷の一挙手一投足に大きな関心が寄せられている中、韓国の選手たちとのエキシビション・ゲームでは苦戦したことも、あらためて注目を集めた。

 17日のキウム・ヒーローズとのエキシビション・ゲームでは、キウムの投手アリエル・フラドに空振り三振を2回喫した。18日の韓国代表チームとの試合でも2フライと1ゴロに終わった。

 だが、大谷は公式戦に突入すると見違えるほどのプレーを見せ、再びスーパースターとしての威厳を証明した。

 大谷は20日、パドレスとの公式開幕戦で5打数2安打1打点1盗塁を記録し、自身の真価を遺憾なく発揮した。

 移籍後の初戦から安打・打点・盗塁をすべて記録し、好スタートを切ったのだ。チームも5-2で勝ち、大谷と共に笑った。

 スタジアムを訪れた大谷の妻・真美子さんは、大谷がヒットを打つたびに喜び、大谷の母親とハイタッチする姿がカメラにキャッチされた。

 しかし、大谷のソウルの旅は楽しい思い出ばかりではなかった。

 21日のソウル・シリーズ第2戦の前、大谷の通訳を務める水原一平氏が違法賭博と窃盗の容疑で告発されたことが明らかになった。米スポーツ・メディアのESPNは消息筋の話として、大谷の口座から消えた金は少なくとも450万ドル(約6億8000万円)に達すると報じた。

 大谷と水原氏はこの10年間を共に過ごしてきた間柄だ。大谷は2013年に日本プロ野球(NPB)の日本ハムファイターズ時代に水原氏と知り合った。2017年のシーズン終了後、ロサンゼルス・エンゼルスと契約して米国に進出した際、水原氏は大谷の専属通訳になった。

 大谷と公私にわたり行動を共にし、影のような役割をしてきた水原氏が違法行為をしたという衝撃的なニュースが報じられるや、球団は直ちに同氏を解雇した。

 信頼していた通訳の裏切りが報道された21日、大谷は開幕第2戦を前に、グラウンドでのトレーニングに姿を見せなかった。

 混乱した状況の中、2番・指名打者(DH)で同日スタメン出場した大谷だったが、スタジアムではこれをものともせずに実力を発揮した。

 1回の第一打席からライト前ヒットを放ち、続くウィル・スミスのセンター越え二塁打でホームを踏んで得点を上げた。2回には大きな犠牲フライで1点を入れた。

 大谷はソウル・シリーズ2試合を10打数3安打2打点1得点1盗塁で終えた。

 多事多難だったソウルの旅を終えた大谷は22日、選手団と共に仁川国際空港から米国・ロサンゼルスへ帰国の途についた。

キム・ジュヒ記者

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