▲イラスト=UTOIMAGE

 スペイン・カナリア諸島にあるテネリフェ島の海岸で、「悪魔の魚」と呼ばれる深海魚が確認された。スペイン紙「マルカ」が8日(現地時間)、報じた。

【写真】「黒い悪魔の魚」ペリカンアンコウが泳ぐ様子

 報道によると、非政府組織(NGO)コンドリック・テネリフェは先月26日、サメの研究中に「黒い悪魔の魚(Black Devil Fish)」が海面近くを泳いでいるのを発見したという。

 この魚はクロアンコウ科に属するペリカンアンコウ(学名:Melanocetus johnsonii)。ギリシャ語で「黒い海の怪物」を意味する。自分よりも大きな獲物を食べることができる長くてとがった歯を持ち、背びれの下の皮膚にたくさんのとげがついているのが特徴だ。大きな口と不規則な歯という独特の見た目をしているため、アニメーション映画『ファインディング・ニモ』では邪悪な姿で描かれた。

 「黒い悪魔の魚」は水深200-2000メートルに生息する深海魚で、ちょうちんのように発光するアンテナ型の触手が頭部にあり、その触手を使って完璧な暗闇の中で生活する。

 そのため海面近くで発見されるのは異例のことだ。魚を発見したNGOの関係者は「生きて泳ぐ姿を見る機会はほとんどないとされる伝説の魚」だとして「現在記録として残っているのは、幼魚や死んだ姿、または潜水艦で撮影されたものだけだ」と話した。研究チームは引き続きこの魚を観察していたが、残念ながら傷を負った状態だったため、数時間後に死亡したという。

 この魚が通常の生息地である深海から海面まで長い距離を移動した原因については、さまざまな推測が出ている。専門家らは、強い海流に巻き込まれたか、病気、あるいは捕食者を避けるために海面近くまで移動した可能性があると分析した。

 マルカ紙は「今回の発見は、カナリア諸島周辺の海の下に隠された神秘とその独特な生態系を保護するために、引き続き研究が必要だということを教えてくれた」とつづった。

イ・ガヨン記者

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